天真名井 | 宗像大社 中津宮 - 神社ファン

有名度

関脇

宗像大社 中津宮

むなかたたいしゃ なかつぐう

福岡県宗像市大島1811

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天真名井

更新日:2026年10月31日

神話に登場する聖なる水

本殿向かって左手にある社務所横の道を下った先には、天真名井(あめのまない)と呼ばれる湧水があります。
天真名井までの道
神話時代の高天原にあったとされる井戸「天真名井」にちなんで名付けられました。周りは木々がうっそうと茂り、日中でさえも薄暗い場所です。石祠が建ち、その正面に水をくむ場所が設けられています。近くには御嶽山を源とする「天の川」が流れており、湧き出た水はその川へと流れ込んでいます。中津宮の境内から少し下っただけの場所ですが、社殿周辺とは雰囲気が異なり、木々と水に囲まれた静かな空間となっています。
天の川と天真名井
天真名井の信仰は古く、江戸時代の『筑前国続風土記』にも記録されています。当時は「御手洗の井」と呼ばれ、その水は極めて清く冷たく、中津宮を参拝する前に身を清めるための井戸とされていました。神職の一族が、神話に登場する高天原の天真名井になぞらえて大切にしていたことも記されています。現在の天真名井は、中津宮における水への信仰と、古くから続いてきた参拝の姿を伝える場所でもあります。
古くから島の人々の間では、この天真名井の水には長寿をもたらす効能があると信じられてきました。飲むとほのかに甘いと言われています。また、書道上達の御神水としても信仰され、島では子どもの筆づかいの上達を願い、天真名井の水を墨に混ぜたり、御神水で筆おろしをしたりする習慣も伝えられています。参拝者の禊に使われただけでなく、島の人々の暮らしのなかでも大切にされてきた湧水です。
天真名井 社殿
また、この湧水は日本神話とも深く結びついています。伝説によれば、高天原にあった天真名井の水を使い、天照大神が素盞鳴尊と誓約(うけい)を交わしました。その際、十束剣(とつかのつるぎ)を3つに分け、天真名井の水ですすいでから口に含んでかみ砕き、吹き出した息吹から宗像三女神が誕生したとされています。
誕生したのが、田心姫神(たごりひめのかみ)、湍津姫神(たぎつひめのかみ)、市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)の3柱です。中津宮には、このうち湍津姫神が祀られています。御嶽山から流れる天の川のそばにあり、宗像三女神誕生の神話に由来する名を持つ天真名井は、中津宮の歴史や島の人々の信仰だけでなく、宗像大社そのものの神話にも触れられる見どころです。

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