夫婦大国社 | 春日大社 - 神社ファン

有名度

大関

春日大社

かすがたいしゃ

奈良県奈良市春日野町160

😞 🙁 😐 🙂 😄

夫婦大国社

更新日:2026年9月27日

日本で唯一の夫婦大国社

若宮神社のすぐ南、かつて若宮神社の神饌を調える場所だった手水屋の中には、春日大社の末社「夫婦大国社(めおとだいこくしゃ)」が鎮座しています。
その始まりは平安時代の長承4年(1135)。同年3月の甲子の日、春日社の正預という神職を務めていた中臣祐房が出雲大社の神霊をお迎えし、名工・卜弁に2体の御神像を彫らせ、手水屋の守護神としてお祀りしたことに始まると伝えられています。
御祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)と、その后神である須勢理姫命(すせりひめのみこと)。日本で唯一、ご夫婦の大国様を一緒にお祀りする神社とされ、約900年にわたって夫婦円満、良縁、家内安全、福運守護の神様として信仰されてきました。
現在も2体の御神像は建物内部の厨子にお祀りされています。享保10年(1725)の記録には、毎年12月の御煤払の際に御神像を若宮の壇上へお遷しして開帳していたことが記されており、古くから特別な信仰を集めていたことがわかります。
夫婦大国社 社殿

重要文化財の手水屋

夫婦大国社が鎮座している建物は、もともと若宮神社の手水屋で、若宮様にお供えする神饌を調える台所として使用されていました。
現在の建物は寛永9~10年(1632~1633)に建てられたもので、桁行5間、梁間3間、一重、流造、屋根はこけら葺です。明治35年(1902)には国の重要文化財に指定されました。建物を見る際に注目したいのが、神饌所だった時代の名残です。内部の土間には竈や流し台が残され、こけら葺の屋根には調理の煙を外へ逃がすための煙出しの櫓も設けられています。単に古い社殿として残っているのではなく、かつてここで若宮神社の神饌が実際に調えられていたことを現在に伝える建物です。
令和6年(2024)にはこけら葺屋根の葺き替えなどの修理が行われ、10月25日に正遷宮が斎行されました。江戸時代前期の建物を修理しながら現在まで受け継いでいます。
春日大社 手水舎と夫婦大国社
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杓子を奉納する珍しい風習

夫婦大国社では、絵馬の代わりに「杓子」を奉納する古くからの習慣があります。
これは若宮神社の神饌所にお祀りされていることに加え、御祭神の須勢理姫命が手に杓子を持っていることに由来します。願い事を記した杓子を奉納するという、夫婦大国社ならではの祈願方法です。
夫婦大国社の杓子
お社には数多くの杓子が奉納されており、なかには著名人が奉納したものも見ることができます。約900年にわたって夫婦和合や福運を願う人々が訪れてきた夫婦大国社の信仰を、目に見える形で感じられる見どころです。
近年では縁結びにちなんだピンク色の「ハート絵馬」も人気を集めています。また、水に浸すと文字が浮かび上がる「水占」もあり、恋愛や良縁を願う参拝者に親しまれています。
有名人が夫婦大国社に奉納された杓子
さらに注目したいのが、古くから伝わる「福之種子(ふくのたね)」です。財運・福運を願う夫婦大国社のお守りとして授与されています。縁結びだけではなく、福運を授けてくださる大国様として信仰されてきたことがわかります。

若宮十五社めぐりの第15番納札社

夫婦大国社は、春日大社の「若宮十五社めぐり」の第15番納札社でもあります。
若宮神社周辺には、人が一生を送るなかで遭遇するさまざまな難所を守ってくださる神々がお祀りされています。これらのお社を巡拝し、人の一生をたどりながら生涯の安泰を祈願するのが若宮十五社めぐりです。
春日大社 若宮十五社めぐりの玉串札
巡拝は夫婦大国社で受付を行い、各社や遥拝所に玉串札を納めながら進みます。そして最後に再び夫婦大国社へ戻り、15社を巡った満願の奉告を行います。夫婦大国社は単なる15番目のお社ではなく、若宮十五社めぐりの出発点であり、結願の場所でもあります。
日本で唯一とされる夫婦の大国様、平安時代から続く約900年の信仰、神饌所だったことを伝える重要文化財の建物、そして杓子奉納や水占、福之種子。夫婦大国社は小さなお社ですが、若宮神社周辺でも特に多くの見どころと独自の信仰が残されています。
奉納されたハート絵馬

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