有名度
大関住吉大社
すみよしたいしゃ
大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
浅澤社
更新日:2026年9月16日
女性の守護神である浅澤社
住吉大社から南東の境外、大歳社の近くには浅澤社(あさざわしゃ)が鎮座しています。池に囲まれるように小さな社殿が建ち、住吉大社の境内とはまた異なる静かな雰囲気を感じられる神社です。
住吉大社では、女性が本宮へ参拝した際には浅澤社にもお参りするのが習わしとされています。また芸能上達の御神徳から、芸能に携わる人だけでなく、技を磨く職人からの崇敬も篤い神社です。

小さな社殿のため、初辰まいりの日には参拝を待つ人が並ぶこともあります。浅澤社の例祭は毎年5月17日に斎行されています。
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万葉集にも詠まれたカキツバタの名所
浅澤社の大きな見どころが、社殿を囲むように広がるカキツバタです。例年5月中旬になると紫色の花が咲き、普段とは異なる華やかな景観を見ることができます。この場所とカキツバタとの関係は非常に古く、浅澤社が鎮座する一帯はかつて「浅沢小野」「浅沢沼」と呼ばれ、多くの池や沼が広がっていました。平安時代にはすでにカキツバタの名所として知られていたとされ、その美しい景観は古くから和歌にも詠まれています。
『万葉集』には、
住吉の浅沢小野のかきつばた 衣に摺りつけ着む日知らずも
と詠まれています。
後世にも浅沢のカキツバタは歌人たちに知られ、藤原定家も、
いかにして浅沢沼のかきつばた 紫ふかくにほひ染めけん
と詠んでいます。
さらに明治10年(1877)に明治天皇が住吉へ行幸した際にも、かつての浅沢小野を偲び、カキツバタを題材とした歌を詠んでいます。
このように浅沢のカキツバタは単なる境内の花ではなく、古代から近代まで繰り返し歌に詠まれてきた、住吉を代表する歴史的な景観のひとつです。

平成に復活した「浅沢のカキツバタ」
長い歴史を持つ浅沢のカキツバタですが、周辺の環境が変化するなかで、かつてのような群生は見られなくなっていました。そこで平成9年(1997)、往時の浅沢を偲ばせる「かきつばた園」が復活しました。住吉大社の年表にも、この年に末社浅澤神社の「かきつばた苑」が造成されたことが記録されています。
現在では、毎年5月中旬になると浅澤社の周囲にカキツバタが咲き、古くから歌人たちを魅了した浅沢の風景を思わせる景観を見ることができます。

美容・芸能の神である市杵島姫命を祀る信仰だけでなく、『万葉集』の時代から知られたカキツバタの名所としての歴史も浅澤社の大きな魅力です。特に5月中旬には、小さな社殿と紫色のカキツバタがつくり出す、浅澤社ならではの景観を楽しむことができます。
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