有名度
大関鵜戸神宮
うどじんぐう
宮崎県日南市大字宮浦3232番
鵜戸ヘゴ北限自生地
更新日:2026年10月19日
国の指定天然記念物
鵜戸神宮北側の裏山、杉が混在する自然林のくぼ地には「鵜戸ヘゴ自生北限地帯」があります。ヘゴとは、湿度の高い林の中を好む熱帯・亜熱帯系の木生シダです。大きく成長すると高さは4メートルにも達し、幹の頂から長さ2メートルほどの大きな葉を八方に広げます。一般的なシダとは異なり、太い幹を伸ばしてその上に巨大な葉を広げる、まるで樹木のような姿が特徴です。
ヘゴは日本では伊豆諸島や小笠原諸島、九州南部、南西諸島などの温暖な地域に分布しています。鵜戸の自生地は、熱帯・亜熱帯性植物であるヘゴが自然に生育する北限地帯として学術的にも貴重な場所です。
1968年(昭和43年)6月14日、鵜戸神宮のヘゴ自生地は「鵜戸ヘゴ自生北限地帯」として国の天然記念物に指定されました。
指定当時は、樹齢20年から50年ほどのヘゴが約20本自生していました。しかし、南国の植物であるヘゴに大きな影響を与えたのが、1976年(昭和51年)の寒波です。この寒波によって、それまで生育していたヘゴの多くが枯れてしまいました。
一時は自生地そのものの存続も心配される状況となりましたが、その後に行われた調査では、高さ10センチから50センチほどの若いヘゴが約30本自生していることが確認されています。
大きなヘゴが寒波によって失われても、その場所で新しい世代が育っていたことになります。鵜戸の自然環境の中でヘゴが自生を続けていること自体が、この場所が国の天然記念物として守られている大きな理由のひとつです。
その後、ヘゴは鵜戸地区だけでなく、日南市内の星倉や吉野方でも生育が確認されています。
特に吉野方では、1999年度(平成11年度)の調査によって、高さ約2メートルに成長したものを含む30本近いヘゴが自生していることが分かりました。
吉野方の自生地は、かつて棚田として利用されていた谷筋の水田跡地で、現在は杉林となっています。湿度の高い環境が保たれていることから、湿潤な林内を好むヘゴが生育できる環境となっています。
ヘゴというと沖縄などの南国を思い浮かべる植物ですが、鵜戸神宮の裏山にはその自生北限地帯として国の天然記念物に指定された場所があります。
朱色の社殿や日向灘の奇岩などに目が向きやすい鵜戸神宮ですが、境内周辺に残された豊かな自然環境も見どころのひとつです。鵜戸ヘゴ自生北限地帯は、温暖な日南海岸の自然環境を植物から知ることができる貴重な場所です。

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