有名度
関脇住吉神社
すみよしじんじゃ
福岡県福岡市博多区住吉3丁目1−51
能楽殿
更新日:2026年7月27日
「大阪より以西なら住吉」と称えられる名舞台
住吉神社の境内に建つ能楽殿は、「大阪より以西なら住吉」と讃えられるほど高く評価されている能舞台です。戦前に建てられた木造能楽堂の姿を今に伝え、能や狂言をはじめ、日本の伝統芸能が受け継がれる貴重な文化施設となっています。現在の能楽殿は、大正時代に警固神社の能楽堂が老朽化して演能ができなくなったことを受け、福岡の能楽関係者によって新たな能楽堂の建設が計画されたことに始まります。多くの寄付によって建設が進められ、1938年(昭和13年)秋に現在の住吉神社境内で完成しました。

総ひのき造りの格式ある能舞台
能楽殿は、木の温もりを感じられる総ひのき造りが特徴です。内部の能舞台は伝統的な様式を忠実に受け継ぎ、格式と風格を兼ね備えた美しい造りとなっています。舞台の三方には白い砂利を敷き詰めた白洲が巡らされ、そのうち北側と東側の二方を見所が囲む独特の構成です。見所は北側が四段、東側が三段の高低差を設けた板敷きとなっており、さらに貴賓席まで備えられています。このような構成は全国的にも珍しく、伝統的な能楽堂ならではの趣を感じることができます。
舞台の背面に描かれた老松と、側面に描かれた若竹は、福岡市出身で帝展委員も務めた日本画家・水上泰生(1877~1951)が手掛けたものです。能舞台を彩る格調高い鏡板は、舞台の大きな見どころの一つとなっています。

福岡市有形文化財に登録された貴重な建築
現代の能楽堂では椅子席を設けた施設が一般的ですが、住吉神社の能楽殿は、伝統的な舞台と見所の構成を現在まで残している数少ない能楽堂です。戦前の木造劇場建築としても全国的に貴重な存在であり、その歴史的・建築的価値から福岡市有形文化財に登録されています。現在も能や狂言の公演はもちろん、講演会やコンサートなど幅広い催しに利用され、多くの人々が日本の伝統文化に親しめる場となっています。住吉神社を訪れた際は、歴史ある建築美と格式ある能舞台にもぜひ注目してみてください。
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