学問と芸能の守護神
本殿の左奥にある階段を上った場所に一童社が鎮座しています。学問の神である菅原道真と芸能の神である天鈿女命を祀る社で、
進学合格や技芸向上を願う参拝者が訪れる人気のスポットです。
菅原道真は天神様として親しまれ、学業成就や受験合格のご神徳があるとされています。平安時代を代表する学者であり政治家でしたが、政敵の策謀により太宰府に左遷され、不遇のうちに生涯を終えました。道真の死後、都では落雷や疫病が立て続けに起こったため、
日本三大怨霊の一柱としても知られています。霊を慰めるため神として祀られ、現在では
学問の神として崇敬されています。
天鈿女命は、神話『天の岩戸』において、天岩戸に隠れた天照大神を誘い出すため踊りを舞った神です。
芸能の神として厚い信仰を集めています。
一童社が学問の神として特にあつく信仰されている背景には、吉備津神社全体の歴史も関係しています。神仏習合の時代、主祭神である大吉備津彦命は知恵を授ける虚空蔵菩薩として崇拝されていました。そのため吉備津神社は古くから学問の聖地としても知られ、江戸時代には国学者たちも深く信仰したと伝えられています。
一童社の前にある「祈願トンネル」は見どころのひとつでしょう。参拝者が奉納した絵馬で形作られています。数多くの絵馬には受験や芸事への願いを込めた熱心なメッセージが記されており、中には桃太郎の絵馬も奉納されています。
絵馬の歴史は古く、かつては実際の馬を奉納していたと言われています。時代とともに簡略化され、現在のような板絵の形になりました。