ささゆり園 | 大神神社 - 神社ファン

有名度

関脇

大神神社

おおみわじんじゃ

奈良県桜井市三輪1422

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ささゆり園

更新日:2026年9月29日

大神神社のご神花「ささゆり」

祈祷殿前、宝物収蔵庫の近くには、大神神社の御神花である「ささゆり」を観賞できる「ささゆり園」があります。
普段は球根の育成と保護のため閉鎖されていますが、花の季節になると一般公開され、可憐な淡いピンク色の花が園内を彩ります。例年5月下旬から6月中旬頃に開花し、境内ではささゆり園のほか、正面石段前、大美和の杜、久延彦神社周辺などでも見ることができます。
ささゆりは、葉の形が笹の葉に似ていることなどからその名が付いたとされる日本固有のユリのひとつです。種から花を咲かせるまでには5~7年もの年月が必要とされ、環境の変化にも敏感なため、栽培が難しい植物として知られています。
かつて三輪山周辺には多くのささゆりが自生していました。しかし生活様式の変化によって里山に人の手が入らなくなったことや、乱獲などによって次第に姿を減らしていきました。
そこで1993年(平成5年)、かつてのようにささゆりが咲き誇る三輪山を復活させようと、大神神社豊年講の人々を中心に「笹百合奉仕団」が結成されました。専門家の指導を受けながら育成・植栽が続けられ、ささゆり園も整備され、2000年(平成12年)から一般公開されています。
現在、美しいささゆりを境内で見ることができるのは、こうした長年にわたる保護・育成活動によるものです。
ささゆり

『古事記』にも登場する「佐韋」

大神神社とささゆりとの関係は非常に古く、『古事記』の神話にまでさかのぼります。
ささゆりは古く「佐韋(さゐ)」と呼ばれました。
『古事記』には、大物主大神の御子神である媛蹈韛五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)が三輪山麓の狭井川のほとりに住んでいたことが記されています。
この地には山ゆり草が多く咲いていたため川を「佐韋河(さいがわ)」と呼び、後にその名が「狭井川」になったと伝えられています。
媛蹈韛五十鈴姫命はその後、神武天皇の皇后となりました。
三輪山の麓に咲くささゆりは、単なる季節の花ではなく、大神神社の神話や古代からの三輪山信仰につながる花なのです。
大神神社 ささゆり園のささゆり

ささゆりを捧げる「三枝祭」

媛蹈韛五十鈴姫命を御祭神とする大神神社の摂社・率川神社では、毎年6月17日に「三枝祭(さいくさのまつり)」が行われます。「ゆりまつり」とも呼ばれる、ささゆりと深い関係を持つ祭典です。
祭りでは、黒酒(くろき)と白酒(しろき)を入れた罇(そん)・缶(ほとぎ)と呼ばれる酒器をささゆりの花で飾り、神前へお供えします。
さらに4人の巫女がささゆりを手に持ち、神楽「うま酒みわの舞」を奉奏します。御祭神がかつて暮らした三輪山麓に咲いていた花を捧げ、お喜びいただくという古い伝承を今に伝える祭典です。
三枝祭の前日となる6月16日には、大神神社から率川神社へ御神花のささゆりを届ける「ささゆり奉献神事」も行われます。
大神神社で道中安全祈願祭を行った後、ささゆりを駕籠に納めてJR万葉まほろば線の列車で奈良へ運びます。JR奈良駅からは花車に載せられ、踊りやお囃子とともに率川神社まで奉献され、翌日の三枝祭で神前に捧げられます。
三輪山で大切に守り育てられたささゆりが奈良の率川神社へ運ばれ、古代から伝わる祭りを彩るまでが、大神神社とささゆりを結ぶ一連の神事となっています。
ささゆり園は美しい花を楽しむだけでなく、三輪山の自然、神話、そして現在まで受け継がれる祭祀とのつながりを感じられる見どころです。

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