有名度
関脇大神神社
おおみわじんじゃ
奈良県桜井市三輪1422
宝物収蔵庫
更新日:2026年9月29日
三輪山の古代祭祀を伝える貴重な宝物
祈祷殿の向かいには、大神神社に伝わる宝物や三輪山から出土した祭祀遺物などを収蔵・展示する「宝物収蔵庫」が建っています。館内には国の重要文化財をはじめ、奈良県指定文化財、三輪山麓の古代祭祀遺跡から出土した考古遺物、伝世の神宝類、神宮寺関係の文書、奉納美術品などが収蔵されています。

拝殿東方、三ツ鳥居の奥に広がる禁足地からは、子持勾玉をはじめとする滑石製模造品、土師器、須恵器などが発見されています。禁足地は古くから立ち入りを禁じられてきた神聖な場所であるため、これらは建物の解体修理などの際に偶然発見されたものです。
また、狭井神社の北東、狭井川上流に位置する「山の神祭祀遺跡」からは、1918年(大正7年)、巨石の下やその周囲から大量の祭祀遺物が発見されました。
素文鏡、勾玉、滑石製模造品、須恵器、鉄片のほか、坩(つぼ)・匏(ひさご)・堅杵・堅臼・案・柄杓などをかたどった土製模造品が出土しています。
山の神祭祀遺跡は三輪山の「辺津磐座」のひとつと考えられており、これらの遺物は社殿を持たず、磐座を中心に神を祀ってきた三輪山の古い祭祀の姿を知るうえで非常に貴重な資料です。
重要文化財「朱漆金銅装楯」
宝物収蔵庫を訪れた際に注目したい神宝のひとつが、国の重要文化財「朱漆金銅装楯(しゅうるしこんどうそうたて)」です。鎌倉時代の1305年(嘉元3年)に奉納された一対の木製の楯で、高さ158センチ、幅39センチ。檜板の表面を朱塗り、裏面を黒塗りとし、上部には金銅の飾りが施されています。
さらに一方には金色の日像、もう一方には銀色の月像が描かれているのが特徴です。
裏面には「大神八所大明神 嘉元参年乙巳卯月」と朱漆で記されています。「大神八所大明神」とは大神神社の本社と主要な摂末社を合わせた呼称で、鎌倉時代の大神神社信仰を伝える貴重な神宝です。
平安時代の「大国主大神木像」
奈良県指定文化財の「大国主大神木像」も見逃せません。平安時代後期の作とされる高さ69センチの木像で、榧の一木造。烏帽子をかぶり、大きな袋を左肩から掛けた姿をしています。
現在よく知られる柔和な表情の大黒様とは異なり、険しい忿怒の表情をしているのが大きな特徴です。
神仏習合の時代には大国主神と仏教の大黒天が同体と考えられ、大神神社に伝わる『三輪山縁起』にも三輪明神が大黒天の姿で現れたという記述があります。この神像は、かつて三輪山で神道と仏教が深く結びついていた歴史を伝える資料でもあります。
このほかにも、県指定文化財の高坏や湖州鏡、三輪山絵図、大般若経、三輪山縁起など、大神神社の長い歴史を物語る品々が収蔵されています。
宝物収蔵庫は、境内を歩くだけでは見ることのできない三輪山祭祀の実像に触れられる場所です。現在も続く三輪山信仰が、古代からどのような形で営まれてきたのかを、実際の祭祀遺物や神宝から知ることができます。
開館日は毎月1日と土曜・日曜・祝日で、開館時間は9時30分~15時30分(入館は15時まで)。拝観料は大人300円、高校生以下100円です。
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