活日神社 | 大神神社 - 神社ファン

有名度

関脇

大神神社

おおみわじんじゃ

奈良県桜井市三輪1422

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活日神社

更新日:2026年9月29日

日本最初の杜氏を祀る「活日神社」

拝殿から参集殿を過ぎて北へ進んだ高台には、大神神社の摂社「活日神社(いくひじんじゃ)」が西向きに鎮座しています。鳥居をくぐり、石段を登った先にある小さなお社で、周囲には瑞垣が設けられています。
活日神社 鳥居と石段
御祭神は高橋活日命(たかはしのいくひのみこと)。崇神天皇の時代、大物主大神に供える酒を造るため、掌酒(さかひと)に任じられた人物です。掌酒とは神に供える酒の醸造をつかさどる役職で、高橋活日命は日本最初の杜氏ともいわれ、現在も杜氏の祖神として全国の酒造関係者から篤く信仰されています。
『日本書紀』には、高橋活日命が神酒を天皇に献上した際の歌が記されています。

「此の神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久 幾久」

この酒は自分が醸した酒ではなく、大和の国を造った大物主大神が醸した神酒である、という意味です。崇神天皇と群臣はその神酒を飲んで宴を楽しみ、この故事から大物主大神は酒造りの神として篤く信仰されるようになったと伝えられています。
活日神社 社殿
高橋活日命は大物主大神の神助を受け、一夜にして美酒を醸したとも伝えられます。そのため活日神社は古図に「一夜酒之社」と記され、現在も地元では「一夜酒さん」の名で親しまれています。
明治初期までは神社の近くに酒殿があり、酒を醸すための道具も保存されていました。現在は小さなお社ですが、かつてこの一帯が大神神社における酒造りと深く結びついた場所だったことが分かります。
酒造りを始める杜氏が蔵入りの前に活日神社へ参拝し、無事に務めを終えて蔵を出る際にも再び参拝する習わしも伝えられています。大神神社には全国の酒造業者や蔵元によって組織された「酒栄講」もあり、酒造りの神を祀る三輪への信仰は現在まで受け継がれています。
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全国の酒造家が集まる「醸造安全祈願祭」

毎年11月14日には、拝殿で「醸造安全祈願祭」が行われます。「酒まつり」とも呼ばれる祭典で、酒の神・醸造の祖神としての神徳を称え、その年の新酒の醸造安全を祈願します。
全国から蔵元や杜氏などの酒造関係者が集まり、祭典では神楽「うま酒みわの舞」が奉奏されます。祭典を終えると杜氏たちは活日神社へ参拝し、おいしい新酒が無事に醸されるよう祈願します。
境内では全国の酒造家から奉納された酒が並ぶ「全国銘酒展」なども行われ、酒造りの神を祀る大神神社ならではの光景が広がります。祭典後には、醸造安全を願う赤い御幣と「しるしの杉玉」が酒造関係者へ授与され、全国各地の酒蔵へと持ち帰られます。
しるしの杉玉
現在も大神神社から全国の酒造業者へ「しるしの杉玉」が授与されています。青々とした杉玉は新酒ができたことを知らせる酒蔵の象徴でもあり、時間が経つにつれて緑から茶色へと変化していきます。
拝殿と祈祷殿の向拝に吊るされている巨大な杉玉も、酒まつりにあわせて毎年新しい杉玉へ掛け替えられます。直径約1.5m、重さ約200kgにもなる大杉玉です。
日本最初の杜氏ともいわれる高橋活日命、一夜で醸された神酒、そして全国の酒蔵へ届けられる杉玉。小さな活日神社には、大神神社がなぜ日本を代表する「酒造りの神」として信仰されているのかを物語る歴史が詰まっています。

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