船戸神社 | 春日大社 - 神社ファン

有名度

大関

春日大社

かすがたいしゃ

奈良県奈良市春日野町160

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船戸神社

更新日:2026年9月27日

旅行安全、交通安全の神さま

御本殿から西へ進んだ先、国宝殿の近くには春日大社の末社「船戸神社(ふなどじんじゃ)」が鎮座しています。かつては興福寺大乗院門跡の祈祷屋にあった鎮守社と伝えられています。
御祭神は衝立船戸神(つきたつふなどのかみ)。御本社第二殿にお祀りされる経津主命の御伴神とされています。
衝立船戸神は『古事記』にも登場する古い神様です。伊弉諾尊が黄泉の国から帰還し、禊を行うため身につけていたものを投げ捨てた際、その杖から生まれた神様とされています。
古くは「岐神」「投杖神」とも呼ばれ、道を塞いで悪霊や災厄の侵入を防ぐ塞神として信仰されました。やがて旅人や道行く人々を災難から守る神様となり、道祖神へとつながっていったとされています。
その信仰は現在にも受け継がれ、船戸神社は旅行安全、交通安全、厄除けの神様として篤く信仰されています。例祭は6月5日に行われます。
船戸神社 社殿

2つの古道が交わる場所に鎮座

船戸神社の場所そのものにも注目です。
その昔、京都の御所から春日の神々へ祈りを捧げるために遣わされた摂関家の姫君、斎女や内侍が通った道を「内侍道」と呼びました。
一方、春日大社の御本殿から水谷神社を経て、東大寺二月堂方面へ向かう道は「水谷道」と呼ばれています。
船戸神社が鎮座するのは、この内侍道と水谷道が交わる場所です。
道を行き交う人々を災厄から守る塞神であり、旅の安全を守る衝立船戸神が、古くから人々が行き交ってきた道の交差点に鎮座していることになります。船戸神社が交通安全の神様として信仰されてきた歴史を、実際の境内の位置からも感じることができます。
現在も正面側は斜面になっているため、鳥居をくぐってそのまま社殿へ進むことはできません。参拝する際は横に設けられた階段からお参りします。

船戸神社の神域に設けられた「車祓所」

船戸神社の神域には「車祓所」が設けられており、現在もこの場所で祈願者の車のお祓いが日々行われています。
春日大社で行われる交通安全祈願そのものは春日皇大神の御守護を願うものですが、それに加えて交通安全の神様である船戸神社の尊い御加護もいただけるよう、特別に船戸神社の神域に車祓所が設けられています。
春日大社には旅立ちとも深い関係があります。第一殿の御祭神・武甕槌命は、常陸国の鹿島から白鹿に乗って大和へやって来たと伝えられています。「鹿島立ち」という言葉も、旅立ちや門出を意味する言葉として古くから使われてきました。
無事な旅立ちと道中の安全を願う春日の信仰と、道を塞いで災厄の侵入を防ぐ船戸神社の信仰。その両方が重なる場所が、現在の車祓所となっています。
春日大社 車祓所

水谷九社めぐり第9番納札社

船戸神社は現在、春日大社の「開運招福水谷九社めぐり」の第9番納札社です。
水谷九社めぐりは、総宮神社から始まり、一言主神社、龍王社、水谷神社など、水谷川周辺に鎮座する9つのお社を巡拝するものです。平成30年(2018)9月から行われています。船戸神社はその最後に参拝するお社で、御神徳は交通安全と厄除け。水谷九社を巡った最後に、これから先の道中の安全を守ってくださる神様へお参りする形になっています。
黄泉の国から戻った伊弉諾尊が投げた杖から生まれたという衝立船戸神、内侍道と水谷道が交わる鎮座地、そして現在も車のお祓いが行われる車祓所。船戸神社は、古代の塞神信仰から現在の交通安全祈願まで、「道を守る神様」の信仰がつながっているお社です。

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