有名度
大関春日大社
かすがたいしゃ
奈良県奈良市春日野町160
本宮神社遙拝所
更新日:2026年9月27日
本宮神社を遥拝する神聖な場所
御本社と若宮神社を結ぶ御間道の途中には、本宮神社遙拝所があります。御間道は850年以上にわたって神職や崇敬者が行き来してきた古い参道で、その途中に御蓋山頂の本宮神社を拝むための小さな鳥居が設けられています。本宮神社は、春日大社の御祭神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)が降臨したと伝わる御蓋山頂上の浮雲峰に鎮座する神社です。御祭神には武甕槌命、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)の3柱がお祀りされています。
『延喜式神名帳』に記載される式内社「大和日向神社」と同じ神社であるとする説もあります。御蓋山は現在の御本殿が鎮座する以前から神々の鎮まる神奈備として崇められてきた神聖な山です。

本宮神社の歴史は古く、鎌倉時代後期に成立した歴史書『百錬抄』にも、本宮神社と思われる記載が残されています。『百錬抄』は公家の日記をはじめとするさまざまな記録をもとに編纂された歴史書です。
また御蓋山頂には古くから磐座があったと考えられており、本宮神社周辺では経塚遺跡も確認されています。青銅製や瓦質の経筒、経筒を納める外容器、仏が線刻された鏡、北宋銭などが見つかっており、中世には御蓋山頂が神道だけでなく仏教信仰とも深く結びついた聖地であったことがうかがえます。
中世から近世にかけては興福寺の僧侶がこの一帯で雨乞いを行ったとされ、弘安10年(1287)1月15日には興福寺一乗院の門跡が参拝に訪れたとの記録も残っています。御蓋山の信仰には、春日大社と興福寺が密接に結びついていた神仏習合の歴史も残されています。
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旧社殿を下賜する「春日移し」
春日大社の式年造替には「春日移し」と呼ばれる、役目を終えた旧社殿を他の神社などへ下賜し、移築する習わしがあります。かつては御本殿も式年造替のたびに造り替えられ、旧社殿が各地へ移築されていました。現在の御本殿は国宝に指定されているため、昔のように建物そのものを新しく建て替えることはできませんが、摂末社では現在も造替に伴って旧社殿が移築されることがあります。

旧社殿の大きさは、高さ約2.6m、幅約0.7m、奥行き約1m。笠置寺に鎮座する春日明神社の社殿として移築されました。
笠置寺には鎌倉時代に春日明神が勧請されていましたが、元弘元年(1331)に起こった笠置山の戦いで社殿が焼失しました。本宮神社の旧社殿が「春日移し」によって移築されたことで、春日明神社は685年ぶりに再興されました。
現在、本宮神社そのものは禁足地である御蓋山頂に鎮座しているため、一般の参拝者が社殿を間近で見ることはできません。しかし、かつて御蓋山頂に建っていた本宮神社の旧社殿は、現在も笠置寺の春日明神社として大切に受け継がれています。
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