椿本神社 | 春日大社 - 神社ファン

有名度

大関

春日大社

かすがたいしゃ

奈良県奈良市春日野町160

😞 🙁 😐 🙂 😄

椿本神社

更新日:2026年9月27日

魔物祓いの神を祀る「椿本神社」

御本殿の北西、風宮神社の裏側には春日大社の末社である「椿本神社(つばきもとじんじゃ)」が鎮座しています。
お社の近くに椿の木があったことが神社名の由来と伝えられています。御祭神は春日明神の眷属である角振神(つのふりのかみ)で、「隼の明神」とも呼ばれる神様です。
災難を祓う神様として古くから信仰されており、例祭は5月2日に行われます。
椿本神社 社殿
椿本神社は、古くから魔物退治の神としても崇められてきました。鎌倉時代に成立した『春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)』には、関白・藤原忠実の御殿に魔物である天狗法師が忍び込み、それを御祭神・角振神の霊威によって追い払ったという話が残されています。
この伝承から、椿本神社は古来、魔物や天狗を退散させ、災難を祓ってくださる神様として信仰されてきました。
御本殿の近くに鎮座する小さなお社ですが、「魔物を祓う」という非常にはっきりとした御神徳と、それを伝える700年以上前の絵巻物が残されていることが椿本神社の大きな特徴です。
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春日明神の霊験を描いた「春日権現験記絵」

椿本神社の御神徳を現在に伝えている『春日権現験記絵』は、春日大社の神々が起こしたさまざまな霊験を描いた鎌倉時代の絵巻物です。
延慶2年(1309)頃に制作されたもので、全20巻93段からなります。藤原氏一門の西園寺公衡が、一門の繁栄への感謝とさらなる繁栄を願って制作を企画しました。
詞書は前関白・鷹司基忠ら4人が分担して執筆し、絵は宮廷の絵所を率いた高階隆兼が描きました。
春日権現験記絵平凡社(wikipedia パブリック・ドメイン)
繊細な大和絵の技法と美しい色彩で春日明神の霊験が描かれているだけでなく、鎌倉時代の人々の暮らしや信仰、建築、服装なども詳しく描かれているため、当時の社会や生活を知るうえでも非常に貴重な史料となっています。
しかも、傷みやすい絹に描かれた約700年前の絵巻物でありながら、全20巻93段が欠けることなく現在まで伝わっています。鎌倉時代の大和絵絵巻を代表する作品として高く評価され、2021年には国宝に指定されました。
もとは春日大社に秘蔵されていましたが、江戸時代後期に流出。その後、鷹司政熈のもとに集められ、明治8年(1875)と明治11年(1878)の2度に分けて鷹司家から皇室へ献上されました。現在は皇居三の丸尚蔵館に収蔵されています。
椿本神社を参拝する際には、御祭神の角振神が700年以上前の『春日権現験記絵』にも霊験を示す神様として登場していることを知っておくと、小さなお社の長い信仰の歴史をより深く感じることができます。

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