有名度
大関春日大社
かすがたいしゃ
奈良県奈良市春日野町160
社頭の大杉
更新日:2026年9月27日
『春日権現験記』にも描かれた樹齢800~1000年の大杉
林檎の庭の北西、中門の手前には、注連縄が張られた巨大な杉がそびえています。「社頭の大杉」と呼ばれる春日大社の御神木です。目通り周囲は約8.7m、高さ約25m、推定樹齢は約800~1000年。約700年前の鎌倉時代後期に制作された『春日権現験記』にも、まだ若木だった頃の姿が描かれています。
鎌倉時代から現在まで成長を続け、春日大社の歴史を見守ってきた大杉です。実際に近くから見上げると、御本殿周辺にある建物と比較してもその巨大さがよくわかります。

直会殿の屋根を突き抜ける樹齢約500年の柏槙
社頭の大杉を見学する際は、根元にも注目してみてください。大杉の根元から斜めに伸びているもう1本の木があります。「柏槙(びゃくしん)」または「伊吹(いぶき)」と呼ばれる木で、こちらも樹齢約500年といわれています。

直会殿は慶安3~5年(1650~1652)に建てられた江戸時代前期の建築物で、国の重要文化財に指定されています。それほど貴重な建物でありながら、木を伐採するのではなく、屋根に穴を開けて成長を妨げないようにしています。
これは単に自然保護のためというだけではありません。春日大社では、特に樹木を大切にするようにとの春日の神様の託宣が古社記に伝えられています。
重要文化財の建物に穴を開けてまで樹木を生かす姿からは、長い年月にわたって受け継がれてきた春日大社の樹木に対する信仰を感じることができます。
スポンサーリンク
住吉三神をお祀りする「岩本神社」
社頭の大杉の根元には、末社「岩本神社」が鎮座しています。御祭神は表筒男命・中筒男命・底筒男命の住吉三神です。
中世から近世にかけては一般に「住吉社」と呼ばれていましたが、春日大社に伝わる『天文二十二年正遷宮記』には「岩本社」の名も記されています。

住吉三神は古くから海の神として信仰されるとともに、和歌の神としても篤い信仰を集めてきました。岩本神社では受験合格・和歌の神様としても信仰されており、例祭は12月16日に行われます。
春日祭の儀式が行われた「住吉壇上」
お社の前の石畳は、かつて「住吉壇上」と呼ばれた場所でした。近世に書かれた春日大社の社務日誌にも、3月13日の春日祭の際に社司が住吉壇上にて蹲踞したとの記録が残されており、重要な儀式が行われてきた場所のひとつであることがわかります。
樹齢800~1000年といわれる社頭の大杉、その根元から直会殿の屋根を突き抜けて伸びる柏槙、そして住吉三神をお祀りする岩本神社。中門へ向かう途中にありますが、春日大社の樹木信仰と古くからの祭祀を感じられる場所です。
この記事を0人の方がいいねといっています
スポンサーリンク
春日大社の人気記事
-
砂ずりの藤この記事を2人が評価
-
紀伊神社この記事を2人が評価
-
二の鳥居・重要文化財の車舎と神鹿像この記事を2人が評価
