神饌所(御釜殿) | 枚岡神社 - 神社ファン

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枚岡神社

ひらおかじんじゃ

大阪府東大阪市出雲井町7-16

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神饌所(御釜殿)

更新日:2026年8月31日

御本殿の北側に建つ神饌所(しんせんじょ)は、神様にお供えする神饌を調える場所です。「御釜殿(おかまでん)」とも呼ばれ、現在の建物は昭和3年(1928)に改築されました。
この神饌所が特別な場所となるのが、毎年1月15日。大きな釜で小豆粥を炊き、その年の農作物の豊凶や天候を占う、枚岡神社の特殊神事「粥占神事(かゆうらしんじ)」が行われます。

神様の食事を調える「御釜殿」

神饌とは、祭典などで神前に供える食事のこと。米や酒、野菜、果物などを神前に供えます。神饌所はこれらを調理し、神様へお供えするために準備する場所です。
枚岡神社の神饌所は御本殿の北側に位置し、「御釜殿」という名でも呼ばれています。その名を印象づけるのが、ここで現在も行われている粥占神事です。
粥占神事は室町時代から続くと伝えられる古い神事で、大阪府の無形民俗文化財に指定されています。江戸時代後期の享和元年(1801)に刊行された『河内名所図会』にもその様子が描かれており、古くから枚岡神社を代表する神事として知られていました。
枚岡神社 神饌所(御釜殿)

大釜に53本の竹筒を沈める

粥占神事では、神饌所に据えられた大釜に小豆3升と米5升を入れ、小豆粥を炊きます。
特徴的なのが、粥と一緒に釜へ入れられる53本の竹筒です。「占竹(せんちく)」と呼ばれる長さ約15cmの竹筒を束ね、大釜の中へ沈めて小豆粥とともに炊き上げます。
53本の竹筒には、それぞれ米や麦、大豆、野菜などの農作物が割り当てられています。炊き上がったあとに竹筒を取り出し、筒の中に入った粥の量を調べます。粥がどの程度入っているかによって、それぞれの作物がその年に豊作となるか、凶作となるかを占います。機械や統計による予測ではなく、釜の中へ沈めた竹筒に自然に入り込んだ粥によって一年の実りを占う、古い農耕信仰を伝える神事です。
枚岡神社 粥占神事 案内版
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12本の占木で月ごとの天候を占う

粥を炊いている間には、農作物だけでなく一年の天候も占われます。
使用するのは「占木(せんぼく)」と呼ばれる長さ約15cmの黒樫です。1月から12月までの各月に対応する12本をかまどの火に入れ、その焦げ具合から、それぞれの月の晴雨や天候を占います。
つまり、一つのかまどを使い、大釜の中では53本の占竹によって農作物の出来を、火の中では12本の占木によって一年の天候を占っていることになります。
作物の豊凶と天候は、農耕を営む人々にとって切り離すことのできないものです。粥占神事には、一年の実りを願ってきた人々の祈りが現在まで受け継がれています。
枚岡神社 粥占神事の様子 河内名所図会

占いの結果を伝える「占記」

神事で判定された結果は「占記」と呼ばれる記録にまとめられます。
占われる農作物は時代とともに変化してきました。江戸時代と現在では人々が育てる作物も異なるため、伝統的な占いの方法を守りながら、その時代の農業に合わせて対象となる作物も変わってきました。
また、神事で炊かれた小豆粥は参拝者にも振る舞われ、無病息災を願っていただく習わしがあります。
普段の神饌所は、神様への食事を調えるための静かな建物です。しかし1月15日には、53本の竹筒が沈められた大釜から湯気が立ち、かまどでは12本の占木が焼かれます。「御釜殿」という名前とともに、古くから人々が一年の実りと天候を神に問いかけてきた姿を今に伝える場所です。

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