有名度
小結少彦名神社
すくなひこなじんじゃ
大阪府大阪市中央区道修町2-1-8
張り子の虎
更新日:2026年9月23日
少彦名神社のシンボル「張り子の虎」
少彦名神社を象徴するものの一つが「張り子の虎」です。「神虎(しんこ)」とも呼ばれ、境内や授与品など、さまざまな場所で虎の姿を見ることができます。かわいらしい姿をしていますが、少彦名神社で張り子の虎が大切にされている背景には、江戸時代に大坂を襲った疫病と、薬の町・道修町の歴史があります。

1822年のコレラ流行から生まれた「神虎」
少彦名神社と張り子の虎との関係は、文政5年(1822)に大坂でコレラが流行したことに始まります。コレラは激しい下痢や嘔吐などを引き起こす感染症で、当時は治療法も十分に確立されていませんでした。急激に症状が進むことから「三日コロリ」と恐れられ、「虎狼痢(コロリ)」などの文字も当てられました。
この疫病に対して動いたのが、少彦名神社が鎮座する道修町の薬種仲間です。

さらに、病名の「虎狼痢」と薬の「虎頭殺鬼雄黄圓」の双方に「虎」の字が使われていたことから、張り子の虎を「神虎」という御守としました。丸薬と神虎は少彦名神社の神前で祈願され、人々に一緒に施与されました。
つまり、少彦名神社の張り子の虎は、単に虎を縁起物として取り入れたものではありません。疫病が流行した際、薬の町・道修町の人々が薬を用意するとともに、医薬の神に病除けを願った歴史から生まれた御守なのです。
その後、丸薬の施与は行われなくなりましたが、神虎は家内安全・無病息災を願う少彦名神社独自の御守として受け継がれ、全国に知られるようになりました。
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端午の節句にも飾られる張り子の虎
少彦名神社の張り子の虎は、神農祭だけに登場するものではありません。少彦名神社では、関西を中心に端午の節句に張り子の虎を飾り、子どもの健やかな成長や無病息災を願う風習があると紹介しています。
少彦名神社でも端午の節句に合わせて張り子の虎に関する授与が行われており、病除けの神虎として受け継がれてきた虎が、子どもの健康を願う縁起物としても大切にされています。

神農祭で授与される「神虎笹」
張り子の虎と少彦名神社とのつながりを特に感じられるのが、毎年11月22日・23日に行われる例大祭「神農祭」です。神農祭では、五葉笹に張り子の虎と少彦名神社の御札をつけた「神虎笹」が、家内安全・無病息災を願う御守として授与されます。
神農祭と神虎の関係も、文政5年(1822)のコレラ流行にさかのぼります。道修町の薬種仲間が虎頭殺鬼雄黄圓と神虎を神前で祈願し、人々に施与した出来事が現在まで受け継がれています。

現在の神農祭は、道修町を中心とした薬業関係企業による「薬祖講」によって維持・運営されています。江戸時代の疫病流行をきっかけに生まれた神虎が200年以上を経た現在も受け継がれていることは、薬の町・道修町と少彦名神社との深いつながりを物語っています。

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