時計館宝物館と日時計・古代火時計 | 近江神宮 - 神社ファン

有名度

関脇

近江神宮

おうみじんぐう

滋賀県大津市神宮町1-1

😞 🙁 😐 🙂 😄

時計館宝物館と日時計・古代火時計

更新日:2026年10月4日

日本初の時計博物館「時計館宝物館」

近江神宮の境内にある時計館宝物館は、1963(昭和38)年に「近江神宮時計博物館」として開館した、日本で最初の時計博物館です。
近江神宮の御祭神・天智天皇は、漏刻(水時計)を用いて人々に時を知らせたことから「時の祖神」として崇敬されています。時計博物館も、この天智天皇と「時」との深い関係から近江神宮に設けられました。
2010(平成22)年には御鎮座70年を機に改装され、現在の「時計館宝物館」として新装開館しています。
近江神宮 時計館宝物館

日本最古級の懐中時計や珍しい和時計

1階の時計館には、日本や世界で使われてきたさまざまな時計が展示されています。
なかでも貴重なのが、高松宮家から下賜された有栖川宮家伝来の日本最古級の懐中時計です。
このほか、江戸時代に日本独自の発展を遂げた和時計なども見ることができます。寛政年間の初め頃に造られた垂揺球儀(すいようきゅうぎ)や櫓時計(やぐらどけい)など、現在の時計とは大きく異なる姿や仕組みを持つ時計が並びます。
一定の速さで時を刻む現在の時計が一般化する以前、人々がどのような工夫を重ねて時間を測ってきたのかを、実物を通して知ることができるのが時計館の大きな見どころです。

曾我蕭白や河井寛次郎の作品を展示する宝物館

2階は、近江神宮に奉納された美術品などを収蔵・展示する宝物館となっています。
代表的な作品が、江戸時代の画家・曾我蕭白(そがしょうはく)の「楼閣山水図屏風」です。重要文化財に指定された作品で、館内では複製を見ることができます。
このほか、池田遙邨の日本画「唐崎の松」や、陶芸家・河井寛次郎による抹茶茶碗や花扁壺なども所蔵されています。
また、刺繍によって百人一首を表現した「百人一首織かるた」など、御祭神・天智天皇と百人一首とのつながりを感じられる品も見ることができます。
「時計館宝物館」という名称の通り、時計の歴史だけでなく、近江神宮に伝わる美術・工芸品にも触れられる施設です。
近江神宮 時計館宝物館 入口
スポンサーリンク

境内に置かれた「水平式日時計」

時計館の外にも、境内には「時を測る」ためのさまざまな装置が置かれています。
そのひとつが、東京時計製造株式会社によって造られた水平式日時計です。
日時計は、太陽によって生じる影の位置から時刻を知る仕組みです。しかし、太陽の動きから求める時刻と、私たちが時計で使用している時刻との間には、季節によってずれが生じます。
近江神宮の水平式日時計には台座に均時差表が設けられており、この表を使って太陽が示す時刻とのずれを補正できるようになっています。
機械式時計が普及するはるか以前から利用されてきた、太陽を利用して時を知るという時計の原点ともいえる仕組みを実際に見ることができます。
近江神宮 水平式日時計

独特の仕組みを持つ「矢橋式日時計」

もうひとつの日時計が、岐阜天文台の矢橋徳太郎氏によって考案された「矢橋式日時計」です。
水平式日時計と見比べると、時刻を示す目盛りが等間隔に並んでいることが分かります。この仕組みを実現するため、時刻盤そのものが傾けられているのが特徴です。さらに時刻盤を回転させることで、季節によって変化する太陽の位置と時計が示す時刻とのずれを補正します。
同じ太陽を利用して時刻を知る日時計でも、水平式日時計とは構造も時刻の読み取り方も異なります。
境内に2種類の日時計が置かれているため、それぞれの形や目盛り、時刻を求める仕組みを実際に見比べられるのも近江神宮ならではの見どころです。
近江神宮 矢橋式日時計

龍の姿をした「古代火時計」

境内には、太陽ではなく「火」を利用して時間を測る古代火時計も置かれています。
古代中国で夜間の時間を測るために用いられていたとされる火時計を再現したもので、龍をかたどった特徴的な姿をしています。
龍の背には線香が置かれ、その上に14個の銅球が糸で等間隔に吊り下げられています。
線香に火をつけると、燃え進むにつれて銅球を吊るしている糸が順番に焼き切れます。落下した銅球が龍の下に置かれた銅鑼を鳴らし、その音によって時間の経過を知らせる仕組みです。
太陽を利用する日時計は夜になると使用できませんが、火時計では線香が一定の速さで燃えていく性質を利用することで、夜間にも時間の経過を知ることができます。
近江神宮では6月10日の「漏刻祭」にあわせて古代火時計の実演も行われ、実際に火を使って時を測る仕組みを見ることができます。
近江神宮 古代火時計

水・太陽・火・機械でたどる「時計」の歴史

近江神宮では、時計館宝物館だけでなく、境内に置かれたさまざまな時計を巡ることで、人々が工夫を重ねながら時間を測ってきた歴史を知ることができます。
水を利用して時を測る「漏刻」、太陽の影を利用する「日時計」、線香の火を利用する「古代火時計」、そして時計館に並ぶ和時計や機械式時計。
そのうち漏刻は「時の祖神・天智天皇と漏刻・轟太鼓」で詳しく紹介しますが、時計館宝物館と2種類の日時計、古代火時計をあわせて巡るだけでも、時を測る方法が時代とともにどのように変化してきたのかを実物を通して見ることができます。
御祭神・天智天皇と「時」との深い縁を背景に、時計そのものの歴史や仕組みまで楽しめることが、近江神宮ならではの見どころです。

この記事を0人の方がいいねといっています



スポンサーリンク

近江神宮の人気記事