有名度
関脇近江神宮
おうみじんぐう
滋賀県大津市神宮町1-1
外拝殿・内拝殿・本殿御・御祭神・ご利益
更新日:2026年10月4日
斜面を生かした独特の「近江造り」
近江神宮の社殿は、山麓の傾斜を生かして外拝殿、内拝殿、本殿を段階的に配置し、その周囲を回廊が取り囲む独特の構成です。「近江造り」または「昭和造り」と呼ばれ、近代神社建築を代表するものとして国の登録有形文化財となっています。外拝殿、内拝殿、本殿をはじめ、内廻廊、翼廊など主要な社殿は、近江神宮が鎮座した1940(昭和15)年に建立。その後、1944(昭和19)年には楼門から延びる外廻廊などが整えられました。

唐破風と石段が印象的な外拝殿
楼門をくぐると、正面に堂々とした外拝殿が建っています。入母屋造の建物で、正面の石段上と背面中央に唐破風を設けた、割拝殿風の造りが特徴です。特に目を引くのが、正面から延びてきた石段が外拝殿の中央へそのまま入り込むような構成です。外拝殿を境として参拝空間が終わるのではなく、その中央を抜けた先へと社殿の軸線が続き、さらに高い場所に内拝殿、本殿が配されています。
外拝殿から奥を眺めると、斜面を利用して社殿が次第に高くなっていく近江神宮ならではの構成を実感できます。一般の参拝者が通常参拝する場所でもあり、近江造りの社殿群を間近で見ることのできる中心的な建物です。

参拝の動線を本殿へ導く内拝殿
外拝殿のさらに奥、石段を上った高い位置に建つのが内拝殿です。桁行5間、梁間3間の入母屋造で、御祈祷や祭典などが執り行われます。内部には折上小組格天井が設けられ、背面中央には床をさらに一段高くした張り出し部があります。その先に接続するのが、本殿へ向かって斜面を上る登廊です。
外拝殿から広がった参拝空間を、内拝殿から登廊を通して本殿へ向けて次第に絞り込んでいくように設計されているのが特徴です。単に建物を斜面に並べたのではなく、参拝する人の視線まで本殿へと導くよう計算された社殿配置となっています。

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社殿群の最上段に鎮座する本殿
社殿群の最奥、境内で最も高い段に建つのが本殿です。1940(昭和15)年、皇紀2600年にあわせて建立されました。本殿は三間社流造、檜皮葺で、建築面積は53平方メートル。棟には千木と堅魚木が上げられ、御祭神を祀る聖域であることを示しています。
内拝殿からは登廊、中門、渡廊を経て本殿へとつながり、渡廊の屋根は本殿の向拝へ重なるように造られています。傾斜地に沿って屋根が連続しながら最上段の本殿へ到達する構成も、近江造りを特徴づけるものです。
近江神宮は1940年創建の比較的新しい神社ですが、伝統的な神社建築の意匠を受け継ぎながら、山麓という地形を積極的に利用して独自の社殿空間を生み出しています。外拝殿から内拝殿、そして最奥の本殿へと高さを増していく姿をひとつの景観として眺めるのがおすすめです。

御祭神
御祭神は第38代天皇の天智天皇で、御神名を天命開別大神(あめみことひらかすわけのおおかみ)といいます。皇子時代には中大兄皇子と称し、藤原鎌足らとともに645年の大化改新を進めました。667年には都を飛鳥から近江大津宮へ遷し、近江令の制定、学校制度の創始、戸籍の整備、土地制度の改革、産業の振興など、新しい国家体制の確立に力を尽くしたとされています。
また『日本書紀』には、漏刻と呼ばれる水時計を設けて時を知らせたことが記されており、「時の祖神」として崇敬されています。百人一首の第一首「秋の田の~」が天智天皇の御製とされることから百人一首との縁も深く、近江神宮が競技かるたの聖地と呼ばれる由縁にもなっています。

ご利益
近江神宮では天智天皇を「時の祖神」「開運・導きの大神」「文化・学芸・産業の守護神」としています。天智天皇は大化改新をはじめ、遷都や法制度、教育、土地制度、産業などさまざまな分野で改革を進め、新しい時代を切り開きました。その事績から、運命を切り開き、進むべき道へと導く「開運・導き」の御神徳が篤いとされています。
また、日本で初めて時を知らせた故事から「時」をつかさどる神様としても信仰されています。人生には進学や就職、仕事、結婚など、時を見極めて決断しなければならない場面があります。新しいことを始める時や人生の節目、進むべき道を定めたい時にもお参りしたい神様です。
文化・学芸・産業の発展に尽くしたことから、学業成就や試験合格、仕事や事業の発展を願う人々からも崇敬されています。
御祈祷では、学業成就・試験合格・厄除・方除け・災難除け・家内安全・心身健康・病気平癒・商売繁盛・心願成就・開運・必勝・交通安全・旅行安全など、さまざまな祈願を受け付けています。

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