表参道 | 秋葉山本宮秋葉神社 - 神社ファン

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秋葉山本宮秋葉神社

あきはさんほんぐうあきはじんじゃ

静岡県浜松市天竜区春野町領家841

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表参道

更新日:2026年9月20日

歴史の跡が色濃く残る参道

秋葉山の山麓に鎮座する下社からは、表参道という自然歩道を歩いて山頂の上社まで行くことができます。
標高差は約800メートル、約4.3キロの道のりで、所要時間は片道1時間半から2時間ほどかかるそうです。
現在はスーパー林道が建設され自動車で上社に訪れる人が多くなりましたが、それ以前はこの表参道を登って参拝するのが主流でした。
江戸時代後半には、伊勢参りや金比羅参りと並び秋葉詣が流行しました。表参道の起点である坂下は門前町が形成され、茶屋や旅籠が立ち並び多くの旅人を受け入れていたそうです。
表参道JH2KCY (Wikipedia CC 表示-継承 3.0)
現在、秋葉山は天竜奥三河国定公園に指定されています。表参道は東海自然歩道として整備され、山歩きをするハイカー達に大変人気のスポットです。
道の途中には、秋葉詣が流行っていた頃の名残である、数多くの史跡が残されています。
秋葉山の歴史や文化を肌で感じることができるので、ぜひ一度、表参道から上社まで歩いてみることをおすすめします。

九里橋から始まる秋葉山詣

表参道の入口にあるのが「九里橋」です。
九里橋付近から本格的な山道が始まり、かつての秋葉山坂下口参道をたどって上社へと登っていきます。
表参道には現在も町石や常夜燈、鳥居跡が残っています。三の鳥居跡、四の鳥居跡、さらに山上近くには五の鳥居跡もあり、山全体が参詣の場であったことを伝えています。
途中には「もみじ茶屋跡」「十八丁茶屋跡」のほか、かつて賭場があったとされる「チョボイチ平跡」なども残されています。
現在は静かな杉林の中を歩く山道ですが、こうした史跡を一つずつ見ていくと、かつて大勢の秋葉道者が行き交っていた表参道の姿が浮かんできます。

富士見茶屋跡

標高530メートル、表参道の起点から約2キロ進んだ場所には、富士見茶屋跡が残されています。
かつてはその名の通り眺望に恵まれた茶屋で、富士山をはじめ、天竜川や遠州方面を望むことができ、多くの参拝者が足を休めていました。
富士見茶屋は、表参道にいくつも存在した茶屋の中でも最後まで営業を続けていた茶屋と伝えられています。
しかし1943年(昭和18年)、秋葉山を襲った山火事によって茶屋は全焼し、営業を終えました。その後、住居は再建され、住人は1987年(昭和62年)に山を下りるまでこの場所で生活していたと伝えられています。
表参道には、この富士見茶屋以外にも「もみじ茶屋」や「十八丁茶屋」など数軒の茶屋が店を構えていました。
現在の山道からは想像しにくいですが、何軒もの茶屋が営業できるほど多くの参拝者がこの道を行き交っていたことになります。茶屋跡は、秋葉詣が盛んだった時代の表参道の賑わいを伝える貴重な痕跡です。
秋葉山本宮秋葉神社 富士見茶屋跡

子安地蔵尊

標高580メートル、表参道の起点から約2.4キロ進んだ先には、子安地蔵尊がお祀りされています。
安産のご利益があるとされ、安産祈願が成就すると、底に穴を開けた柄杓を奉納する習わしがあります。
現地の案内には、秋葉三尺坊の十二誓願のひとつである「女人分娩の難を除く」ために安産を祈願し、大願成就の暁には底を抜いた柄杓を奉納する旨が記されています。
実際に子安地蔵尊の周囲を見ると、穴の開いた柄杓が数多く奉納されています。一つひとつが安産成就のお礼として納められたもので、現在まで続く信仰を目で見ることのできる場所です。
また、子安地蔵尊から少し進むと送電線の鉄塔があり、杉林が続く表参道の中では珍しく視界が大きく開けます。天候に恵まれれば富士山や遠州方面を望むことができるため、長い登りの途中でひと息つく場所としてもおすすめです。
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信玄岩

標高650メートル、表参道の起点から約2.8キロ進んだ先には、武田信玄が足を掛けたとされる「信玄岩」があります。
戦国時代、武田信玄がこの岩に足を掛け、約6キロ南の光明山に陣取る徳川家康に向かって弓を放ったという伝説が残されています。
秋葉山周辺は、戦国時代に武田氏と徳川氏が勢力を争った地域でもあり、表参道にはこうした戦国時代に結びつく伝承も残されています。
その一方で、この岩には武田信玄は関係していないという説もあります。もともとは「修験(しゅげん)岩」と呼ばれていたものが、明治時代の修験道廃止の影響によって「信玄(しんげん)岩」と呼ばれるようになったのではないかともいわれています。
どちらが真相なのかは分かっていませんが、秋葉山が修験道の霊山であった歴史と、武田・徳川両氏が争った遠州の歴史、その両方を想像させる興味深い場所です。
秋葉山本宮秋葉神社 信玄岩イメージ

秋葉寺を経て上社へ

信玄岩からさらに登ると、標高約700メートルの山中に秋葉山秋葉寺(しゅうようじ)が現れます。
秋葉山は明治時代の神仏分離以前、神道・仏教・修験道が一体となった信仰の山でした。現在も表参道を歩くと、山麓の秋葉神社下社から、子安地蔵尊、秋葉寺を経て、山上の秋葉神社上社へと至ります。
秋葉寺を過ぎると、江戸時代に奉納された五の鳥居跡などが残り、さらに進むと1943年の山火事を免れた1831年建立の神門へ到着します。
そして神門をくぐり、最後の石段を登った先が秋葉山本宮秋葉神社の上社です。
車で上社まで向かえば短時間で参拝できますが、表参道を歩くと、茶屋跡、常夜燈、鳥居跡、子安地蔵尊、信玄岩、秋葉寺、江戸時代の神門と、秋葉山が歩んできた歴史を順番にたどることができます。
かつての秋葉道者と同じように自らの足で山を登ること自体が、表参道最大の見どころといえるでしょう。

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