有名度
小結秋葉山本宮秋葉神社
あきはさんほんぐうあきはじんじゃ
静岡県浜松市天竜区春野町領家841
下社(遥斎殿)
更新日:2026年9月20日
秋葉山の山麓に鎮座する下社
秋葉山の山麓、気田川のほとりには、山頂にある御本殿を遥拝するための下社が鎮座しています。正式名称は「遥斎殿(ようさいでん)」といい、その名の通り、秋葉山上の御本殿を離れた場所から拝むための神殿です。
1943年(昭和18年)、秋葉山で起こった山火事によって山頂の社殿は神門を残して焼失しました。現在の下社の社殿は同じ昭和18年に建立されたもので、戦時中の厳しい時代に山上での祭祀が困難となるなか、秋葉大神への祭祀と信仰をつなぐ役割を担いました。
その後、1986年(昭和61年)に上社の御本殿が再建され、現在は山頂の上社と山麓の下社の双方で参拝することができます。

黄金色の幸福の鳥居や大きな御社殿が目を引く上社とは対照的に、下社は装飾を抑えた素朴な佇まいです。決して華美ではありませんが、山麓の木々に囲まれた社殿には、上社とはまた違った神さびた雰囲気が漂います。
また、下社の門前には気田川が流れています。現在は川遊びやキャンプ、鮎釣りなどでも親しまれている場所で、秋葉山へ登る表参道の入口にもあたります。
十能と火箸
下社を訪れたら、社殿だけでなく、その横にも注目してみてください。そこには、人の背丈を大きく超える巨大な鉄製の「十能」と「火箸」が奉納されています。
十能とは、囲炉裏や火鉢などで炭火を運ぶために使われてきた道具です。家庭で使う十能は片手で持てるほどの大きさですが、下社に奉納されているものは比較にならないほど巨大で、「日本最大」とされています。
火箸も同様に、本来は炭を挟んだり火を扱ったりするための日用品です。普段目にする道具をそのまま巨大化したような姿で、火を司る神を祀る秋葉神社ならではの奉納品です。

秋葉山本宮秋葉神社は火の神を祀ることから、昔から鉄鋼業に携わる人々からも篤い崇敬を受けてきました。技術向上や作業の安全などを祈願して、鉄で造られたさまざまな工芸品が奉納されてきたといいます。
秋葉山へ奉納する品を造る職人たちは、その大きさだけでなく精緻さでも互いに技術を競いました。その結果、巨大な十能や火箸をはじめとする鉄の工芸品が奉納されるようになりました。
かつて秋葉山には、このような鉄製の奉納品が数多く残されていました。しかし、戦時中の金属供出によって古い品のほとんどが失われてしまいます。
現在、下社で見ることのできる巨大な十能と火箸は、戦後に改めて奉納されたものです。火を扱うための道具を、鉄を扱う職人たちが自らの技術を込めて巨大な奉納品に仕上げ、火の神へ捧げる。十能と火箸は、秋葉山の火防信仰だけでなく、鉄鋼業に携わってきた人々と秋葉神社との深いつながりを伝える見どころです。
下社を参拝した際には、ぜひ社殿横にある巨大な十能と火箸も間近で見てみてください
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領家氏神「六所神社」
下社の東側には、鎮座地である領家の氏神「六所神社」が鎮座しています。1874年(明治7年)5月、元領家村内に鎮座していた八坂神社、山神社、金山神社、若宮神社、八幡神社、熊野神社の6社を合祀し、六所神社となったと伝えられています。
御祭神は、天兒屋根命、大日靈貴命(天照大御神)、譽田別命(応神天皇)、中筒男命、大山袛命、武甕槌命の6柱です。
全国の秋葉信仰の中心である秋葉山本宮秋葉神社の下社と並んで鎮座していますが、六所神社は領家の氏神として祀られてきた神社です。
秋葉山を訪れる参拝者を迎える下社と、土地の神々を祀る六所神社が隣り合って鎮座しているところも、この山麓の境内の特徴です。
下社を参拝した際には、東側に鎮座する六所神社にも足を運んでみてください。

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