有名度
小結久能山東照宮
くのうざんとうしょうぐう
静岡県静岡市駿河区根古屋389
竈神社
更新日:2026年9月26日
防火の神をお祀りする「竈神社」
参道を御社殿に向かって進んだ先、神楽殿の北側にある一段高い場所には、末社「竈神社(かまどじんじゃ)」が鎮座しています。1646年(正保3年)に創建された歴史あるお社で、正面に向拝が設けられた見世棚造りの形式で建てられています。小さなお社ですが、朱塗りの社殿が緑の中によく映えます。社殿は徳川家康の御遺骸を埋葬した神廟と同じ西向きに建てられているのも特徴です。
隣には河津桜が植えられており、春になると鮮やかな桜の花が小さな社殿を彩ります。御社殿へ向かう参道から少し高い位置にあるため、そのまま通り過ぎずに石段の上にも目を向けてみてください。
ご祭神は、火産霊命(ほむすびのみこと)、奥津彦命(おきつひこのみこと)、奥津姫命(おきつひめのみこと)の三柱です。
火産霊命は火をつかさどる神様で、火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)などの名でも知られています。奥津彦命と奥津姫命は竈をつかさどる神様です。この三柱は竈三柱神として、火を扱う竈や台所を守る神様として信仰されてきました。

久能山東照宮の竈神社でも三柱を「防火の神」としてお祀りしています。現在も竈神社専用の「竈神社神符」が授与されており、久能山東照宮では「台所等におまつりください」と案内しています。400年近く前に創建された小さなお社の信仰が、現在の家庭にも受け継がれていることが分かります。
また、竈の神は神仏習合の中で「三宝荒神(さんぼうこうじん)」とも結びつき、台所や火を守る神として広く信仰されてきました。久能山東照宮の境内にも神仏習合時代の名残が各所に残されていますが、竈神社の信仰にも日本人の暮らしと火との長い関わりを見ることができます。
国宝の御社殿をはじめとする華麗な建築物に比べれば小さなお社ですが、火を扱う場所を守るという人々の生活に非常に近い信仰を今に伝えています。御社殿へ向かう際には、神楽殿の北側にある石段を上り、防火と台所を守る三柱の神様にもぜひお参りしてみてください。
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