有名度
小結久能山東照宮
くのうざんとうしょうぐう
静岡県静岡市駿河区根古屋389
厳島神社・久能稲荷神社
更新日:2026年9月26日
2神がお祀りされている社
参道を進み楼門をくぐった先の右手側、鼓楼の裏側には末社である厳島神社と久能稲荷神社が合殿になって西向きに鎮座しています。向かって右手側が厳島神社、左手側が久能稲荷神社です。流造りの建築様式で建てられており、正面には棚が設けられた見世棚造り、屋根は銅板で葺かれた朱塗りの美しいお社です。右手側の厳島神社では、市杵島姫命がお祀りされています。現在は厳島神社ですが、明治時代の神仏分離が行われる以前は弁財天社でした。弁財天は音楽や芸能などと結びつきの深い存在として信仰されてきたため、現在も芸能のご利益を願う人々から信仰を集めています。

左手側の久能稲荷神社では、保食神(うけもちのかみ)がお祀りされており、財運の神様として信仰されています。
久能稲荷神社で特に注目したいのは、その歴史が久能山東照宮よりも古いことです。創建年代は分かっていませんが、東照宮が創建される以前から久能山に鎮座していたと伝えられています。
もともとは現在地ではなく、山上にある愛宕神社の前に鎮座していました。しかし1884年(明治17年)9月15日に九州・四国・畿内・東海地方の広い範囲を襲った暴風によって社殿が倒壊。その後、山上から楼門内東側の現在地へ遷座したと伝えられています。
この暴風は、表参道を登り切った場所にある一ノ門の櫓門を倒壊させたのと同じものです。現在の境内だけを見ていると分かりませんが、一ノ門と久能稲荷神社は同じ暴風によって大きく姿を変えたことになります。
賽銭箱の前には小さな赤鳥居と狐の置物が置かれているのが特徴です。徳川家康を祀る東照宮の境内にありながら、東照宮が造営される以前から久能山に祀られてきた神様であることを知って参拝すると、この小さなお社にも長い歴史が感じられます。
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家康にゆかりのある植物「万年青」
厳島神社と久能稲荷神社の社殿周りには、献上された万年青(おもと)が青々と生い茂っています。この万年青も、徳川家康とのつながりを知ってから見ると興味深い植物です。万年青は一年を通して青々とした葉を保つ常緑の植物です。久能山東照宮でも「家康公も珍重された」と伝えており、国宝社殿にも万年青の彫刻が施されています。

江戸時代には武士を中心に万年青の栽培が流行し、新居へ移る際には、ほかの荷物より先に万年青を運び込むと運が開けるともいわれるようになりました。この風習は現在も「引っ越し万年青」として伝わり、新築や転居など新しい門出を祝う縁起物として親しまれています。
家康と万年青のつながりは現在の久能山東照宮にも受け継がれており、授与されている「東照宮守」の裏側にも万年青が刺繍されています。
厳島神社と久能稲荷神社を参拝する際には、二つの神社だけでなく、その周囲を彩る万年青にもぜひ目を向けてみてください。家康が珍重し、徳川家の繁栄とも結びつけられてきた縁起のよい植物を、境内で実際に見ることができます。
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