有名度
小結久能山東照宮
くのうざんとうしょうぐう
静岡県静岡市駿河区根古屋389
神厩
更新日:2026年9月26日
左甚五郎作の神馬が納められた神厩
参道を進み楼門をくぐった左手側には、神厩(しんきゅう)と呼ばれる建物が建っています。桁行3間、梁間2間の大きさで、屋根の形状は切妻造り、丸瓦と平瓦を交互に積んだ本瓦葺きで葺かれています。1618年(元和4年)に建てられた歴史ある建物で、1955年(昭和30年)には国の重要文化財に指定されました。神厩とは神様に奉納された馬「神馬」をつなぐための厩舎です。久能山東照宮の神厩は、かつて徳川家康の愛馬が飼育されていた建物で、現在は伝説の名工「左甚五郎」作と伝えられる木像の神馬が納められています。

この神馬には、縁結びや子授け、安産、無病息災などのご利益があるとして信仰が寄せられてきました。また、左甚五郎といえば日光東照宮の「眠り猫」などの作者として伝えられる名工です。久能山東照宮でも、その名と結びついた神馬を見ることができるのは興味深いところです。

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神厩には、徳川家康と愛馬にまつわる伝承も残されています。家康が亡くなった後も愛馬はしばらく境内で生活していたそうです。夜になると家康の遺骸が埋葬された神廟の脇へ行って休み、朝になると神厩へ戻って餌を食べるという生活を繰り返していたと伝えられています。ところがある朝、いつもの時間になっても愛馬が神厩へ戻ってきませんでした。不思議に思った人々が探したところ、神廟の前で息絶えている愛馬が見つかったそうです。家康が亡くなった後も主人の眠る場所を離れず、最後まで神廟のそばで過ごしたという、家康と愛馬の深い結びつきを感じさせる伝承です。
その話を聞いた左甚五郎は、亡くなった愛馬の姿を模して木馬を製作し、神厩へ奉納したと伝えられています。現在神厩に納められている木像神馬は、こうした物語とともに今日まで伝えられてきました。
愛馬はその後、家康が眠る神廟の裏手、石垣の南隅に埋葬されたと伝えられています。久能山東照宮の公式案内にも、この場所に愛馬が埋葬されたという社伝が残されていることが記されています。

神厩で左甚五郎作と伝わる木像神馬を見たあと、神廟を参拝する際には、その裏手に残る愛馬の埋葬地にも目を向けてみてください。家康の死後も主人のそばを離れず、最後には神廟の前で生涯を終えたという愛馬の物語を知ってから訪れると、境内の見え方も少し変わるのではないでしょうか。
最後まで家康に寄り添った愛馬が眠っていると伝えられる場所です。ぜひ敬虔な気持ちで訪れてください。
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