絶景を望むことができる「一ノ門」
表参道から本殿を目指して17曲り、1159段の石段を登った先には、一ノ門が建っています。左右切妻造りで銅板葺きの屋根、城門風の造りが特徴の建築物です。
一ノ門の城門を思わせる姿は、久能山がかつて城として利用されていた歴史を今に伝えています。1568年(永禄11年)、駿河へ進出した武田信玄は、久能山が険しい崖に囲まれた天然の要害であることに着目。山上にあった久能寺を移転させ、久能山城を築きました。その後、久能山は徳川氏の支配下に入り、徳川家康もこの場所を重要な要害として重視しました。
元々は門の上にやぐらが設けられた櫓門(やぐらもん)でしたが、1884年(明治17年)9月15日に起こった暴風によって倒壊しました。その後現在の平屋に改められたそうです。現在は簡素な姿となっていますが、城門風の造りには久能山が東照宮となる以前の歴史を感じることができます。
一ノ門は大変見晴らしのいい場所に建っており、晴れた日には眼下に広がる駿河湾や伊豆半島、御前崎を一望することができます。山下の石鳥居から長い石段を登ってきた表参道参拝では、1159段を登り切ったところで一気に視界が開けるのも印象的です。久能山が駿河湾に面した急峻な山であることを実感でき、ここが天然の要害として利用されたことにも納得できる景色が広がります。
元日には午前0時に一ノ門が開門され、一ノ門や見晴台周辺から伊豆半島の山々越しに昇る初日の出を拝むことができます。駿河湾を眼下に初日の出を拝み、そのまま久能山東照宮へ初詣できるのも元日ならではです。景色を堪能する際は、大変危険なので階段の手すりには絶対に寄りかからないようにご注意ください。
ロープウェイから久能山東照宮に訪れた場合は、参道を下ることで一ノ門に行くことができます。社務所前の参道から歩いて5分程の距離なので、お時間に余裕のある方はぜひ一度訪れてみてください。
ロープウェイを利用すると表参道を通らずに社殿へ向かうことができますが、一ノ門まで足を延ばせば、駿河湾を望む久能山ならではの眺望と、東照宮創建以前から続くこの山の歴史の両方に触れることができます。