有名度
大関諏訪大社 下社春宮
すわたいしゃ しもしゃはるみや
長野県諏訪郡下諏訪町193
浮島社
更新日:2026年10月3日
どんな大水でも決して沈まない浮島
境内の西側から伸びる小道を進むと、春宮の脇を流れる砥川の中に、ぽつんと浮かぶような島を見ることができます。この島は「浮島」と呼ばれており、どんな大水が出ても決して流されず、濁流の中でもまるで浮いているように見えることからその名前が付いたと伝えられています。下社七不思議のひとつに数えられています。砥川は諏訪湖北岸最大の川で、過去にはたびたび氾濫を繰り返してきました。しかし浮島は洪水でも流されたことがないと伝えられています。現在は周囲が石垣などで整備されているため、かつての姿を想像するのは難しくなっていますが、大水にも流されない不思議な島として古くから知られてきました。
浮島社はその島に鎮座する諏訪大社下社の末社です。小さな鳥居と社殿があり、四隅には小さな御柱が立てられています。
清め祓いの神様「祓戸大神(はらえどのおおかみ)」をお祀りしており、毎年6月30日には浮島社の祭典が行われます。この日は夏越の大祓が行われる日でもあり、川辺には茅輪が設けられ、茅輪をくぐって残る半年の無事を祈ります。
どんな大水にも流されないという下社七不思議と、穢れを祓い清める祓戸大神への信仰。小さなお社ですが、春宮周辺に伝わる水と清めの信仰を感じられる場所です。

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穢れを払う祓戸大神
浮島社でお祀りされている祓戸大神とは、神に祈って穢れを清め、災厄を取り除く神事「祓」を行う場所にお祀りされる神々のことです。祓詞では、黄泉国から帰還した伊邪那岐大神が筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊祓をした際に生まれた神々として祓戸大神が登場します。伊邪那岐大神の禊では多くの神々が生まれていますが、天照大御神・月読命・須佐之男命の三貴子などは祓戸大神には含まれません。
また『大祓詞』には、罪や穢れを祓い清める神々として瀬織津比売・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の四神が登場します。この四柱は「祓戸四神」と呼ばれ、祓戸大神として信仰されることもあります。
浮島社の周囲を流れる砥川も、古くから清めと深く関わってきた川です。鎌倉時代には、武士が御射山の祭典に参列する際、まず砥川で身を清めてから八島高原へ登ったと伝えられています。
また、かつて春宮を参拝する際に身を清めるために使われた御手洗川も、砥川から分かれた流れです。下馬橋では身分の高い人であっても馬や駕籠から下り、御手洗川で身を清めてから春宮へ向かったと伝えられています。
砥川、御手洗川、そして清め祓いの神を祀る浮島社。こうして見ていくと、春宮の周辺では古くから水と「祓」が密接に結びついていたことがうかがえます。
春宮から万治の石仏へ向かう途中にあるため、そのまま通り過ぎてしまいそうな小さなお社ですが、下社七不思議と諏訪に伝わる清めの信仰を同時に感じられる場所です。春宮を参拝した際には、ぜひ浮島社にも足を運んでみてください。

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