有名度
大関諏訪大社 上社前宮
すわたいしゃ かみしゃまえみや
長野県茅野市宮川2030
御頭祭
更新日:2026年10月1日
上社の例大祭
御頭祭(おんとうさい)は、毎年4月15日に上社で行われる例大祭です。別名「酉の祭り」「大御立座神事(おおみたてまししんじ)」「大立増之御頭」とも言われています。古くは旧暦3月の酉の日に行われていた上社最大の神事で、ご祭神のお使いが農作物の豊穣を祈って信濃国中を巡回するため、それに先立って行われたお祭りです。

前宮につくと雅楽が鳴り響く中、神輿は十間廊上段の間に安置され、古式による祭典が執り行われます。
現在では本宮が上社の祭祀の中心となっていますが、前宮はかつて大祝の居館である神殿を中心に上社の重要な祭祀が行われた場所です。神原の建物の多くが失われた現在でも、御頭祭では本宮から神輿が前宮へ渡御し、かつてからの祭場である十間廊で神事が行われています。御頭祭は、前宮が現在も上社の重要な祭祀の場であることを実感できる神事でもあります。
この神事の特徴のひとつに、鹿の頭が飾られることが挙げられます。現在は剥製が飾られていますが、昔は本物の鹿の頭が神前に捧げられていたそうです。このほかにも鳥獣魚類など独特の神饌が供えられ、古い諏訪信仰の姿を現在に伝えています。
前宮での神事後に神輿はふたたび本宮へ向かい、そこで終了奉告祭が行われます。神輿のご神体は幣拝殿の奥に納められ、御頭祭が終了となります。
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かつての御頭祭
御頭祭は、かつては大祝以下の神職が総出で奉仕した「神と人が共食を行う」お祭りでした。神前には鹿の生首75頭をはじめとした鳥獣魚類等が捧げられ、大勢の神職が敷皮の上に並んでこの供物を下ろして食し、お互いに銚子でお神酒をついで回ったそうです。御頭祭が行われる十間廊には山海の幸が積み上げられ、神に供えたものを人々もいただくことで、神とともに飲み、食べ、その恵みに感謝する祭りであったと伝えられています。

また、神前に献じられた鹿の生首75頭の中には必ず耳の裂けたものがあり、これは神様が矛で獲ったものだと言われています。「高野の耳裂鹿」と呼ばれ、諏訪の七不思議のひとつに数えられています。
中世の御頭祭では、信濃各地の豪族に当番が割り当てられ、祭礼への奉仕が行われていました。前宮の祭祀が諏訪郡内だけで完結するものではなく、広い地域を巻き込んで行われていた大規模な祭礼だったことが分かります。
御頭祭は、かつて存在した神長官守矢氏が司る祭祀であり、原始時代からの「狩猟・農耕」などの信仰を色濃く残すお祭りでした。

現在に伝わる御頭祭は、かつての御頭祭とは少し異なったものになります。それでも毎年4月15日には本宮から前宮へ神輿が渡御し、十間廊を祭場として神事が続けられています。
かつて上社祭祀の中心地であった前宮が、現在も祭りの舞台として受け継がれていることを示す、前宮を代表する神事のひとつです。
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