有名度
大関諏訪大社 上社前宮
すわたいしゃ かみしゃまえみや
長野県茅野市宮川2030
御室社
更新日:2026年10月1日
かつて神事が執り行われた跡地
前宮の鳥居をくぐり参道を進んだ先、前宮水眼広場の近くに末社である御室社と呼ばれる祠がお祀りされています。大ケヤキの根元にひっそりと鎮座しているため、見落としてしまう方もいらっしゃるかもしれません。現在は小さな祠が建つのみですが、この一帯はかつて諏訪大社上社の重要な神事が行われた「御室」の跡地です。前宮には大祝の居館である神殿をはじめ、十間廊や精進屋など祭祀に関係する施設が集まっていました。御室もそのひとつであり、前宮が上社祭祀の中心地であった時代の面影を伝える場所です。

かつて行われていた御室神事は廃絶しましたが、御室社そのものがなくなったわけではありません。現在も諏訪大社上社の末社として祀られ、毎年12月22日には御室社祭が執り行われています。かつて御室入りが始まった旧暦12月22日に由来する祭祀を現在まで伝えており、御室で行われた古い祭祀の記憶を今に残しています。
大ケヤキの根元に鎮座する小さな祠からは、かつてここに大きな御室が造られ、諏訪上社の神官たちが籠もっていた姿を想像することは難しいかもしれません。しかし、現在の御室社とその周辺は、前宮に存在した特殊な祭祀空間の場所を伝える貴重な場所となっています。
御室で執り行われた特殊神事
かつて前宮では、諏訪郡内の諸郷の奉仕によって地面を掘り下げた御室と呼ばれる竪穴式の建物が造られていました。旧暦12月22日から翌年3月中旬寅日までの期間、大祝や神長官以下の神官が、蛇形の御体と称する大小のミシャグジ神とともに御室入りし「巣穴始」という冬ごもりをしたと言われています。この御室と呼ばれる建物は、柱4本、桁2本、梁2本という造りで、たたみ24畳分以上の広さがあったそうです。その中には萩組の座と呼ばれる仮小屋があり、大祝、神長官、神使のみ入ることが許されていました。
御室の中では神と人と蛇が一緒になって、御頭占、筒粥占といった重要な神事が行われていたそうです。
現在は廃絶してしまった神事のため、残念ながら儀式の詳細を知ることができません。しかし大切な神事が行われていたことは事実であり、現在の小さな御室社は、前宮が諏訪信仰の祭祀の中心地であった時代を伝える重要な場所です。
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