大燈籠レリーフ | 靖国神社 - 神社ファン

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靖国神社

やすくにじんじゃ

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大燈籠レリーフ

更新日:2026年7月1日

近代日本の歩みを刻んだ大燈籠のレリーフ

靖国神社の第二鳥居の両脇に建つ大燈籠には、台座部分に8枚のレリーフが刻まれています。正面には十六八重表菊紋が配され、それ以外の面には近代日本の戦争や救護活動を題材にした場面が表現されています。
レリーフは、本殿に向かって左側が陸軍、右側が海軍に関する内容で構成されています。帝国美術院長・正木直彦の監修のもと、畑正吉、斎藤素巌、小倉右一郎、吉田久継らが制作しました。戦史を伝える資料であると同時に、昭和初期の石彫芸術としても見応えがあります。

海軍のレリーフ

海軍側には、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・上海事変など、海軍に関わる重要な場面が刻まれています。

小倉右一郎作「日露戦争 第二回旅順港閉塞の広瀬中佐」は、日露戦争で旅順港閉塞作戦に参加した広瀬武夫中佐を題材にしています。広瀬中佐は封鎖船「福井丸」に乗り込み、旅順港の入口を閉塞しようとする危険な任務にあたりました。作戦中、部下を探すため船内に戻った際に砲撃を受けて戦死し、後に「軍神」として広く知られるようになりました。
小倉右一郎作 日露戦争 第二回旅順港 閉塞の広瀬中佐
小倉右一郎作「日清戦争 黄海海戦」は、1894年(明治27年)9月17日に行われた黄海海戦を描いたものです。日本海軍と清国北洋艦隊が朝鮮半島西方の黄海で戦った海戦で、日清戦争における最大規模の海戦となりました。近代化を進めた日本海軍の実力が国際的に注目されるきっかけとなった戦いです。
小倉右一郎作 日清戦争 黄海海戦
吉田久継作「救護 日本赤十字社救護看護婦の活動」は、戦場で負傷者の救護にあたった日本赤十字社の看護婦を題材にしています。戦闘場面だけでなく、救護活動がレリーフに刻まれている点は重要です。戦地や病院船で傷病者を支えた人々の存在を伝える作品となっています。
吉田久継作 救護 日本赤十字社救護看護婦の活動
小倉右一郎作「上海事変勃発 海軍陸戦隊」は、1932年(昭和7年)の第一次上海事変における海軍陸戦隊を題材にしています。上海での日本人居留民や権益の保護を目的として出動した部隊で、都市部での緊迫した戦闘の様子が表現されています。
小倉右一郎作 上海事変勃発 海軍陸戦隊
小倉右一郎作「第一次上海事変 上海上空の空中戦」は、上海事変の際に発生した航空戦を題材にしています。規模は大きくありませんでしたが、日本と中国の航空戦史における初期の出来事として位置付けられます。近代戦において航空機の役割が大きくなっていく時代を象徴する場面です。
小倉右一郎作 第一次上海事変 上海上空の空中戦
吉田久継作「第一次世界大戦 第二特務艦隊地中海遠征」は、第一次世界大戦中に日本海軍が連合国側として地中海へ派遣した第二特務艦隊を題材にしています。日本がヨーロッパ方面で行った国際協力の一例であり、輸送船団の護衛などを通じて連合国を支援しました。
吉田久継作 第一次世界大戦 第二特務艦隊地中海遠征
小倉右一郎作「日露戦争 日本海海戦 戦艦三笠・東郷元帥」は、1905年(明治38年)5月27日から28日にかけて行われた日本海海戦を描いています。東郷平八郎率いる日本艦隊がロシアのバルチック艦隊を破った戦いで、戦艦三笠と東郷元帥は日本海軍を象徴する存在として知られています。
小倉右一郎作 日露戦争 日本海海戦戦艦三笠 東郷元帥
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陸軍のレリーフ

陸軍側には、北清事変、日露戦争、満州事変、上海事変、台湾統治などに関わる場面が刻まれています。

畑正吉作「北清事変 天津城攻撃」は、1900年(明治33年)の北清事変における天津城攻撃を題材にしています。義和団と清朝軍に対し、列強各国の連合軍が天津を攻略した戦いで、日本軍も連合軍の一員として参加しました。
畑正吉作 北清事変 天津城攻撃
斎藤素巌作「日露戦争 奉天入場式」は、1905年(明治38年)の奉天会戦後、日本軍が奉天へ入城する場面を表しています。大山巌元帥らが率いた日本軍の勝利を象徴する場面で、日露戦争における陸軍の大きな節目として描かれています
斎藤素巌作 日露戦争 奉天入場式
斎藤素巌作「装甲列車の戦闘」は、鉄道を利用した近代兵器である装甲列車を題材にしています。装甲列車は列車に装甲を施し、兵員輸送や砲撃、警備に用いられた兵器で、鉄道網が戦争に深く関わるようになった近代戦の特徴を示しています。
斎藤素巌作 装甲列車の戦闘
畑正吉作「満州事変 熱河長城攻撃」は、満州事変後に日本軍が熱河方面へ進出し、長城周辺で行った作戦を題材にしています。満洲地域の支配を広げる過程を示す場面であり、その後の国際関係にも大きな影響を与えました。
畑正吉作 満州事変 熱河長城攻撃
斎藤素巌作「上海事変 爆弾三勇士」は、第一次上海事変で知られる「爆弾三勇士」を題材にしています。独立工兵第18大隊の江下武二、北川丞、作江伊之助の3名が爆破筒を用いて突撃路を開いたとされ、当時は英雄的行為として広く報じられました。現在では、戦時下の報道や軍国主義的な象徴としても語られる題材です。
斎藤素巌作 上海事変 爆弾三勇士
畑正吉作「台湾理蕃 台湾鎮定警察隊の戦闘」は、日本統治下の台湾で行われた先住民統治や治安維持を題材にしています。台湾の山地に暮らす先住民との衝突に対応するため、警察隊が組織され、各地で戦闘や鎮圧が行われました。植民地統治の歴史を考えるうえでも重要な場面です。
畑正吉作 台湾理蕃、台湾鎮定警察隊の戦闘
畑正吉作「日清戦争 広島大本営」は、日清戦争の際に広島城内へ大本営が置かれた場面を題材にしています。明治天皇が広島大本営に入られ、一時的に日本の戦争指導の中心が広島へ移ったことを示す場面です。
畑正吉作 日清戦争 広島大本営

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