有名度
大関氷川神社
ひかわじんじゃ
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
大湯祭(十日市)
更新日:2026年6月20日
大宮の師走を彩る武蔵一宮最大級の伝統神事
大湯祭(だいとうさい)は、武蔵一宮氷川神社で毎年12月に行われる最も重要な祭礼の一つです。本祭は12月10日に執り行われ、その前後には前斎(ぜんさい)・後斎(ごさい)と呼ばれる神事が続きます。また、本祭にあわせて氷川参道で開催される酉の市は「十日市(とおかまち)」と呼ばれ、大宮の年末を代表する風物詩として知られています。現在では神事と市が一体となり、毎年多くの参拝者で賑わう埼玉県内有数の年末行事となっています。
普段は静かなケヤキ並木の氷川参道も、この時期になると無数の露店や熊手商で埋め尽くされ、境内全体が特別な活気に包まれます。大宮市民の間では「十日市が来ると年末を感じる」と言われるほど親しまれており、古くから地域の暮らしと深く結びついてきた祭りです。
約600年続く大湯祭の歴史
大大湯祭の起源は室町時代まで遡ります。記録によれば、1385年(至徳2年)に行われた火を用いた祭礼が始まりとされ、干柴や薪を積み上げて燃やし、その火を用いた神事が執り行われていました。火は古来より穢れを祓う神聖な力を持つものと考えられており、大湯祭もそうした古い火祭りの伝統を今に伝える祭礼の一つです。
「大湯祭」の名前は、大きな釜で湯を沸かし、その湯によって神職が身を清めた神事に由来すると伝えられています。
現在では祭礼の形こそ変化していますが、約600年以上にわたり受け継がれてきた歴史は変わりません。関東屈指の古社である氷川神社の歴史を語る上でも欠かすことのできない祭礼です。
前斎 境内を照らす幻想的なかがり火
大湯祭は12月10日の本祭だけではありません。11月30日から12月9日までは「前斎」と呼ばれる期間となり、神社では本祭に向けた様々な神事や準備が行われます。
この時期の見どころが、境内に設けられる大きなかがり火です。
夜になると炎がゆらめき、冬の澄んだ空気の中で幻想的な光景が広がります。現在でも、この火にあたると無病息災や火防のご神徳を授かることができると言われており、多くの参拝者が足を止めます。
昼間とは異なる神秘的な雰囲気が漂い、大湯祭ならではの風景を見ることができます。
本祭 氷川神社最大級の神事
12月10日に行われる本祭は、大湯祭の中心となる神事です。神前には米や酒、海老、長芋、菱餅など様々な神饌が供えられます。また本殿だけではなく、境内に鎮座する数多くの摂社・末社にも供物が供えられます。
特に特徴的なのが「百味膳」です。
山の幸、海の幸など数多くの供物を調理し、神々へお供えするもので、武蔵一宮にふさわしい壮大な神事として現在も受け継がれています。
一般参拝者がその全てを見ることは難しいですが、氷川神社の一年を締めくくる厳かな祭礼として神職や関係者によって執り行われています。

十日市 大宮の酉の市
大湯祭とともに有名なのが「十日市」です。関東各地で行われる酉の市と同様に、商売繁盛や開運招福を願う人々が熊手を求めて集まります。
氷川参道には熊手商をはじめ、多くの露店が立ち並びます。七福神や宝船を飾った豪華な熊手から、小ぶりな熊手まで様々なものが並び、その年の福をかき集める縁起物として購入されます。
熊手を購入すると、店主と客が威勢よく手締めを行う光景も見られます。参道のあちこちから手締めの声が響き渡る様子は十日市ならではの風景です。
大湯祭限定授与品
大湯祭では、この日だけ授与される特別な授与品も人気を集めています。代表的なものが福熊手、福財布、福神札、福種銭です。
福熊手は開運招福や商売繁盛を願う縁起物として知られています。
福財布はお金を使うための財布ではなく、通帳や宝くじなどを納める縁起物として用いられています。
また福種銭は財運の種銭として財布に入れて持ち歩く人も多く、大湯祭を代表する授与品の一つです。
特に宗像神社で頒布される福種銭や福財布は人気が高く、多くの参拝者が訪れます。
氷川参道を埋め尽くす露店
十日市の魅力は熊手だけではありません。長さ約2kmにも及ぶ氷川参道には多くの露店が並びます。
焼きそば、たこ焼き、イカ焼き、チョコバナナなど定番の屋台をはじめ、縁起物を扱う店や遊戯系の露店も数多く出店します。
大宮盆栽や地域の特産品などが販売されることもあり、地元色豊かな市としても親しまれています。
夕方になると屋台の灯りがともり、参道全体が活気に包まれます。境内のかがり火と露店の明かりが織りなす風景は、まさに大宮の年末を象徴する光景です。
大宮の一年を締めくくる祭り
大湯祭と十日市は、単なる縁日ではありません。約600年にわたり受け継がれてきた氷川神社の伝統神事であり、武蔵一宮の信仰と大宮の町の歴史が結びついた祭礼です。
神事の厳粛さと酉の市の賑わいが共存する独特の雰囲気は、他の祭礼ではなかなか見ることができません。
境内に灯るかがり火、熊手を求める人々、手締めの声が響く氷川参道――。
大湯祭は今もなお、大宮の冬を代表する風景として多くの人々に親しまれています。
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