大絵馬が彩る格式ある拝殿
楼門をくぐると一段高くなった神域が広がり、その正面に拝殿があります。本殿の中門と向かい合うように建ち、古くから数多くの祭典や神事の舞台となってきた重要な建物です。
創建年代は明らかになっていませんが、元禄・寛政年間の絵図には現在とほぼ同じ姿で描かれていることから、江戸時代初期にはすでに現在の拝殿が建てられていたと考えられています。長い年月を経ても往時の姿を今に伝える貴重な建築です。
建物は木造平屋建てで、屋根は入母屋造・檜皮葺、内部は格天井となっています。落ち着いた佇まいの中にも品格が感じられ、本殿へ向かう参拝者を静かに迎えています。拝殿は楼門・神輿庫・釣殿・中門・回廊とともに、江戸時代の社殿群として2017年(平成29年)に京都府暫定登録文化財に指定されています。
スポンサーリンク
拝殿は年間を通じてさまざまな祭典が執り行われる中心的な場所でもあります。春の松尾祭では、神幸祭と還幸祭で神輿が拝殿前を三度巡る「拝殿回し」が行われ、神事の見どころの一つとなっています。
毎年11月末から正月にかけては、拝殿正面に巨大な干支の大絵馬が掲げられます。高さ約3.2メートル、横約5.5メートル、重さ約90キログラムにも及ぶ京都最大級の大絵馬で、昭和58年(1983年)から続く松尾大社の年末年始の風物詩です。毎年異なる干支が描かれ、新年を迎える華やかな景観として多くの参拝者や写真愛好家を楽しませています。