楠御前社 | 熱田神宮 - 神社ファン

有名度

大関

熱田神宮

あつたじんぐう

愛知県名古屋市熱田区神宮一丁目1番1号

😞 🙁 😐 🙂 😄

楠御前社

更新日:2026年9月2日

熱田神宮の第一鳥居をくぐって正参道を進むと、右手に楠御前社(くすのみまえしゃ)が鎮座しています。
御祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)の二柱です。「子安の神」「お楠さま」とも呼ばれ、病気平癒、特に安産の神として厚い信仰を集めています。
楠御前社 鳥居と門

社殿を持たず、楠の神木を祀る

楠御前社でまず目を引くのが、熱田神宮のほかの摂社・末社とは異なるその姿です。
鳥居の奥には賽銭箱と門があり、周囲には玉垣がめぐらされていますが、その内側に本殿などの社殿はありません。祀られているのは、玉垣の中に立つ楠の神木です。
このような信仰の姿には古い歴史があります。江戸時代中期、天野信景が著した『熱田神社問答雑録』にも、楠御前社について「社の神也、古楠樹を主とす」と記されています。少なくとも江戸時代には古い楠を中心とする信仰があり、現在も社殿を設けず、楠の神木を神聖な存在として祀る独特の姿が受け継がれています。
楠御前社 門の裏側は社殿がない
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「子安の神」「お楠さま」として信仰

御祭神の伊弉諾尊と伊弉册尊は、日本神話の国生み・神生みに登場する夫婦神です。
楠御前社では「子安の神」または「お楠さま」と呼ばれ、さまざまな病気を治す神、特に安産の神として信仰されています。
楠御前社の安産信仰がいつ、どのように始まったのか、その詳しい経緯は明らかではありません。しかし現在も安産や子授けなどを願う参拝者が訪れ、門の前には願いを込めた小さな鳥居が数多く奉納されています。
熱田神宮の神職への聞き取りを行った研究では、楠が成長して種を落とし、そこから新しい木が育っていく生命の循環を「生命の再生」と結びつける説明も記録されています。
国生み・神生みの夫婦神である伊弉諾尊と伊弉册尊、そして生命をつないでいく楠。こうした信仰が重なっているところも、楠御前社の興味深いところです。
熱田神宮 楠御前社 案内版

氏名と干支を書いて奉納する「小鳥居」

楠御前社ならではの祈願方法が、小さな鳥居を奉納する「小鳥居」の信仰です。
小鳥居は本宮前の授与所で受けることができます。小鳥居に自分の氏名と干支を書き、楠御前社へ奉納すると願い事が成就するといわれています。
楠御前社を訪れると、門の前には参拝者が奉納した小鳥居がずらりと並んでいます。社殿を持たず楠の神木を祀る姿とともに、楠御前社を象徴する光景の一つです。
楠御前社に奉納された鳥居

小鳥居の奉納方法

小鳥居を奉納する場合は、まず本宮前の授与所で楠御前社奉納用の小鳥居を受けます。初穂料は2,000円です。
小鳥居に自分の氏名と干支を書いたら楠御前社へ持参し、門の前に奉納します。ほかの小鳥居が倒れないよう、丁寧に置きましょう。
なお、初穂料などは変更される場合があるため、参拝時には授与所で確認してください。
社殿を持たず、古くから楠の神木そのものを祀ってきた楠御前社。「お楠さま」として親しまれてきた信仰と、願いを込めた数多くの小鳥居が並ぶ光景は、熱田神宮の数ある末社のなかでも特徴的な見どころです。

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