有名度
関脇小國神社
おくにじんじゃ
静岡県周智郡森町一宮3956-1
小國神社の田遊び
更新日:2026年9月22日
1300余年の伝統を受け継ぐ舞楽
小國神社では、毎年4月18日に近い土曜日と日曜日に、古式十二段舞楽が舞殿にて奉奏されます。その歴史は1300年以上前にさかのぼります。
大宝元年(701)2月18日、勅使が小國神社へ参向し、現在の社地に里宮を開いた際に十二段の舞が奉納されたことが始まりと伝えられています。
古式十二段舞楽は、国の安寧と遠江国の発展を願い、御祭神へ奉納される舞楽です。江戸時代には鈴木左近家が代々指南役を務め、現在は小國神社古式舞楽保存会を中心に保存・伝承されています。
小國神社の舞楽を含む「遠江森町の舞楽」は、昭和57年(1982)に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
小國神社と天宮神社の舞楽は奈良の春日大社系の舞楽が地方化したものとされ、稚児による舞を取り入れるなど、中央の舞楽とは異なる演技や演出が残されていることも大きな特徴です。

12段の奉納演目
古式十二段舞楽という名のとおり、「連舞」「色香」「蝶の舞」「鳥の舞」「太平楽」「新まっく」「安摩」「二の舞」「陵王」「抜頭」「納蘇利」「獅子」の12段が奉納されます。このうち連舞・蝶の舞・鳥の舞・新まっく・抜頭は子供による稚児舞で、太平楽も子供4人によって舞われます。色香・安摩・二の舞・陵王・納蘇利・獅子は、16歳以上の大人が舞う大舞です。
十二段に入る前には、番外の「花の舞」が行われます。
花の舞は舞台を祓い清めるための舞で、舞人以外の伶人または神職が、奏楽に合わせて竹筒から切麻を振って祓います。
舞台が清められると、いよいよ十二段の舞が始まります。
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1番は「連舞(えんぶ)」です。舞楽の最初に行われる舞で、「神に供える」または「押し鎮める」という意味があると伝えられています。稚児2人が緋袍をまとい、天冠をかぶって鉾を持ち舞います。
2番は「色香(しきこう)」です。
大人2人が白色の面をつけ、桴を手に持って曲に合わせて大きくゆるやかに舞います。江戸時代には大舞を神社周辺の氏子が舞っていましたが、色香だけは神職が舞人を務めました。
3番は「蝶の舞」です。
稚児4人が天冠をかぶり、胡蝶が花に遊ぶ姿を表して舞います。小國神社に伝わる舞楽古伝書には「庭小鳥」と記されています。
4番は「鳥の舞」です。
蝶の舞と同じく稚児4人による舞で、鳥が飛び遊ぶ姿を表します。装束は蝶の舞と同じですが、舞の所作は異なります。
5番は「太平楽(たいへいらく)」です。
乱世を正すという意味を持つ、めでたい舞です。俗に「太刀舞」とも呼ばれ、子供4人が鳥兜と裲襠装束を身につけ、鉾を持って勇壮華麗に舞います。
6番は「新まっく」です。
小國神社では古くは「神麻久」と呼ばれていました。稚児4人が樺色の布衣を身につけ、笏を持って舞います。
7番は「安摩(あま)」です。
紙の仮面をつけ、青色の狩衣をまとい、笏を持って舞います。本来は二人で舞う演目ですが、小國神社では一人で舞うのが特徴です。
8番は「二の舞」です。
安摩に続いて舞われる番舞で、翁と媼が安摩をうまく真似できない姿を演じる戯舞です。厳かな舞が続く十二段舞楽のなかでも、見る人を思わずほほえませるユーモラスな演目です。
9番は「陵王(りょうおう)」です。
竜頭をいただいた、鼻がとがり目の鋭い恐ろしい面をつけ、一尺余りの桴を持って舞います。鮮やかで動きのある走舞です。
10番は「抜頭(ばとう)」です。
稚児が一人で舞う「一人舞」で、天冠をつけ、白地に刺繍を施した装束をまとって舞います。
2日目には「座頭の坊」と呼ばれる、子供と大人が争う様子を表した演出も行われます。中央の舞楽とは異なる小國神社独特の演出として注目したいところです。
11番は「納蘇利(なっそり)」です。
恐ろしい紺青色の面をつけ、桴を持って舞います。陵王と同じく動きのある走舞で、竜が舞い跳ねるような趣を持ち、活発さのなかにも荘重さを感じさせます。
最後の12番は「獅子」です。
俗に「獅子伏せ」と呼ばれ、大人3人で舞います。悪魔払い、あるいは五穀豊穣を祈る舞と伝えられる祝儀舞で、十二段の最後を勇壮かつ華やかに締めくくります。
1300余年前の勅使参向を起源とする十二段の舞が、子供から大人へと受け継がれながら現在も同じ小國神社で奉奏されています。華やかな装束や面だけでなく、一つひとつの舞の意味や、小國神社独自の演技にも注目して見たい神事です。
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