有名度
関脇静岡浅間神社
しずおかせんげんじんじゃ
静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102-1
神部神社・浅間神社 楼門
更新日:2026年9月21日
2社合同の楼門
神部神社と浅間神社の楼門は、2社共通の門です。入母屋造り、本瓦形銅板葺の二層の楼門で、総漆塗りの建物を極彩色の彫刻や金色の装飾が華やかに彩っています。楼門の二層部分には「當國總社」と「冨士新宮」という2枚の扁額が掲げられています。「當國總社」は駿河国総社である神部神社、「冨士新宮」は富士山本宮浅間大社から分霊を勧請した浅間神社を表すもので、由緒の異なる2社共通の楼門であることを示しています。
現在の楼門は1815(文化12)年に起工し、1816(文化13)年に完成しました。高さは約15mあり、左右には神を守護する随身像が安置されています。1804(文化元)年から始まった幕府直営による大造営の際に建てられたもので、1971(昭和46)年には国の重要文化財に指定されました。
江戸村のとくぞう(Wikipedia CC 表示-継承 4.0)豪華絢爛な111の彫刻
楼門の大きな見どころが、建物の各所を彩る立川流の彫刻です。その数は111にも及び、獅子や力神、鳳凰、麒麟など、人物や動物、霊獣を題材としたさまざまな彫刻を見ることができます。彫刻のなかには、漆を塗った上に金箔を貼り、さらに岩絵具で彩色する「生彩色」と呼ばれる手の込んだ技法が用いられたものもあります。今回の保存修理では約22,000枚の金箔のうち、約15,000枚が彫刻に使用されました。
なかでも特に有名なのが、門の通路上に施された「水呑の龍」です。名工・左甚五郎の作と伝えられる龍の彫刻で、保存修理ではこの水呑の龍だけで約1,000枚もの金箔が使用されました。金色に輝く立体的な龍は、111ある楼門彫刻のなかでもひときわ目を引く存在です。

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「虎の子渡し」に隠された色の秘密
楼門の東西南北の4面に施された「虎の子渡し」も、ぜひ注目したい彫刻です。「虎の子渡し」は中国に伝わる説話を題材としています。虎が3匹の子を産んだところ、そのうち1匹が彪(ひょう)で、親が目を離すとほかの2匹を食べてしまうため、川を渡る際には彪とほかの子だけを一緒に残さないよう、親が何度も往復して3匹の子を対岸へ運んだという物語です。

何気なく見ると同じ虎のように見えますが、目の色まで注意して見ると、どの個体が物語に登場する彪なのかを見分けることができます。江戸時代の職人が、わずかな色彩の違いによって物語の登場人物を描き分けていたことが分かる、非常に面白いポイントです。
楼門にはこのほかにも鳳凰や麒麟、獅子、力神など、鮮やかな彫刻が数多く施されています。門をそのまま通り抜けてしまうと見落としてしまうものも多いため、正面から楼門全体を眺めた後は、ぜひ頭上や軒下、建物の四方にも目を向けてみてください。
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