有名度
関脇静岡浅間神社
しずおかせんげんじんじゃ
静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102-1
神部神社・浅間神社 本殿
更新日:2026年9月21日
格式高き2つの神社
神部神社と浅間神社の本殿は、2棟の社殿を横に並べ、中央の相の間でつないだ「比翼三間社流造り」という珍しい形式で建てられています。向かって右側が駿河国総社の神部神社、左側が富士山本宮浅間大社から分霊を勧請した浅間神社です。神部神社は約2100年前の崇神天皇の時代に鎮座したと伝わる古社。一方の浅間神社は901(延喜元)年、醍醐天皇の勅願によって富士山本宮から分霊を勧請し、「冨士新宮」として祀られました。創建時期も由緒も異なる2社が、現在は並んで一体となった壮麗な本殿を構えています。
現在の本殿は1804(文化元)年に起工し、1813(文化10)年に完成しました。静岡浅間神社では安永・天明年間の火災によって社殿が焼失したため、1804年から幕府直営による大規模な再建が始まりました。境内の社殿群が完成するまでには60年余もの歳月と、当時の金額で約10万両という巨費が投じられています。
総漆塗りの社殿には極彩色の彫刻が施され、江戸時代後期を代表する豪華な神社建築を見ることができます。神部神社・浅間神社本殿を含む26棟の社殿は国の重要文化財に指定されています。

御祭神・ご利益
神部神社の主祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)です。大国主命の別名で、少彦名命とともに国土経営にあたった神とされます。延命長寿・縁結び・除災招福の神として信仰されています。神部神社は第10代崇神天皇の時代、約2100年前の鎮座と伝えられ、この地方でもっとも古い神社とされています。『延喜式』神名帳にも記載された式内社で、後に駿河国総社として崇敬されました。
浅間神社の主祭神は木之花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)です。901(延喜元)年、醍醐天皇の勅願によって現在の富士山本宮浅間大社から分霊を勧請し、「冨士新宮」として祀られました。安産・子授け・婦徳円満の神として信仰されています。

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本殿を参拝するには
豪華絢爛な彫刻が見どころの神部神社・浅間神社本殿ですが、本殿は大拝殿の奥に位置する神域にあり、通常の参拝では間近まで立ち入ることができません。しかし、静岡浅間神社では本殿特別参拝が行われています。現在の観光案内では土・日・祝日の10時~15時、料金500円と案内されていますが、祭典などによって参拝できない場合があります。
特別参拝では、通常は立ち入ることのできない場所から本殿を間近に見ることができ、総漆塗り・極彩色の社殿や立川流の彫刻をじっくり鑑賞できます。貴重な文化財をより深く知りたい人には、ぜひ体験してほしい参拝です。

神部神社は「彫刻」が見どころスポット
静岡浅間神社の社殿群を彩る彫刻には、信州諏訪の名匠・立川和四郎親子三代と弟子一門が携わりました。現在の社殿群を造営した際に全国から優れた職人が集められ、立川流による精巧な彫刻が各所に残されています。神部神社・浅間神社の本殿もその代表で、仙人の「張果老」、妻飾りの「力士・天人」、立川和四郎冨昌作の「粟穂に鶉」など、さまざまな彫刻を見ることができます。
さらに神部神社側には、大己貴命と深い関わりを持つ兎を題材とした「波に兎」の彫刻があります。大己貴命は『古事記』の「因幡の白兎」で傷ついた兎を救った神として知られており、御祭神にまつわる神話を彫刻から読み取ることができます。
本殿には仙人を題材とした彫刻もあり、長寿を象徴するさまざまな意匠が施されています。単に豪華な装飾として見るだけでなく、一つひとつの彫刻に込められた神話や故事を知ってから鑑賞すると、本殿の面白さがさらに深まります。
浅間神社の本殿からは富士山が望める
浅間神社の本殿で、彫刻とともに注目したいのが、本殿と富士山との位置関係です。神部神社と浅間神社の本殿は完全に同じ方向を向いているのではなく、わずかに軸をずらして建てられています。富士山本宮浅間大社から分霊を勧請した浅間神社側からは、富士山を正面に拝むことができるようになっており、天候に恵まれれば社殿の先に富士山を望むことができます。
さらに注目したいのが、本殿の正面にそびえる大拝殿です。二層の屋根を持つ壮大な楼閣造りの大拝殿は、富士山を模した建築と伝えられています。中層には雲を表した彫刻が施され、その上には天女など天上世界を表現した意匠を見ることができます。
実際の富士山を正面に望む浅間神社本殿と、その手前に富士山を模した大拝殿。社殿の華麗な彫刻だけでなく、富士山信仰を建築そのものに表したところも大きな見どころです。

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