御神鶏 | 白浜神社(伊古奈比咩命神社) - 神社ファン

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白浜神社(伊古奈比咩命神社)

しらはまじんじゃ(いこなひめじんじゃ)

静岡県下田市白浜2740

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御神鶏

更新日:2026年9月25日

国の天然記念物「小国鶏」

境内を散策していると、鶏の鳴き声が聞こえてくることがあります。白浜神社では御神鶏として「小国鶏(しょうこく)」が飼育されており、授与所隣の鶏小屋でその姿を見ることができます。小屋内は清潔に保たれており、大切に飼育されている様子がうかがえます。
小国鶏小屋
小国鶏は、日本で古くから飼育されてきた日本鶏の一種です。昭和16年(1941)1月27日に国の天然記念物に指定されており、特定の生息地ではなく、小国鶏という品種そのものが「地域を定めない天然記念物」となっています。
小国鶏の起源については、中国から日本へ渡来した古い鶏と伝えられています。三重県教育委員会では、平安時代に遣唐使が中国の寧波府昌国から持ち帰り、「小国」の名も昌国に由来するという伝承を紹介しています。白藤、五色、白色などの種類があり、清らかに響く鳴き声や長い尾、胸を張った気品のある姿勢などが特徴です。
白浜神社の現地説明板では、小国鶏を長く鳴き声を響かせる「長鳴鶏」と説明しています。また、本来は闘鶏であり、鎌倉時代には宮中で行われた鶏合にも使われたとされています。優美な姿をしていますが、その内には闘志を秘めた鶏でもあるのです。
さらに小国鶏は、日本鶏の品種形成にも大きく関わりました。現地説明板によると、江戸時代には小国鶏からさまざまな長鳴鶏が作られ、尾長鶏、東天紅、黒柏、尾曳、蓑曳、薩摩鶏、声良、唐丸などは、小国鶏から生まれたもの、あるいは小国鶏とほかの品種との交雑によって作られたものとされています。
現在、白浜神社で見ることのできる御神鶏は、こうした日本鶏の歴史にも深く関わる貴重な小国鶏です。
小国鶏

かつては生きた鶏が捧げられた「酉祭」

白浜神社では、4月と11月の初酉の日に「酉祭(とりまつり)」が行われます。昭和18年(1943)に神社が刊行した『伊古奈比咩命神社』にも「酉祭」の項目があり、古くから伝えられてきた祭儀であることが分かります。
酉祭では、かつて生きた鶏を神前に献じていましたが、現在は鶏に代わって卵が供えられています。白浜神社では、御祭神の神使が酉であることから行われる祭りと伝えられています。
三嶋大明神を祀る三嶋大社にも酉祭があり、現在は4月16日と11月16日に行われています。白浜神社と三嶋大社の双方に「酉祭」が伝わっていることからも、二社の深い関係をうかがうことができます。
境内で飼育されている小国鶏は、単に珍しい天然記念物というだけではありません。鶏を神使とする信仰や、現在まで伝わる酉祭とあわせて見ることで、白浜神社で御神鶏が大切にされている背景も見えてきます。

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