有名度
小結白浜神社(伊古奈比咩命神社)
しらはまじんじゃ(いこなひめじんじゃ)
静岡県下田市白浜2740
本殿
更新日:2026年9月25日
アオギリに囲まれた本殿参道
拝殿に向かって左手には朱色の鳥居が建っており、その先から本殿へ向かう参道が続いています。本殿は拝殿の背後にそびえる火達山に鎮座しており、木々に囲まれた坂道と石段を上っていきます。参道の周囲に生い茂るアオギリは「伊古奈比咩命神社のアオギリ自生地」として、昭和20年(1945)2月22日に国の天然記念物に指定されています。境内北側に純林を形成し、この地が分布の北限にあたることから、植物学上貴重な自生地とされています。
アオギリは中国原産の植物で、夏には薄緑色の花を咲かせ、秋には実をつけます。種子は梧桐子(ごとうし)と呼ばれ、かつてはコーヒー豆の代用品として利用されたこともあります。
Saigen Jiro (Wikipedia CC0)なお、夏季には本殿への参拝ができない期間があります。近年は7月中旬から8月末まで参拝が休止されているため、この時期に訪れる場合は最新情報を確認してください。
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二院の歴史を伝える本殿
アオギリに囲まれた参道を3分ほど進むと鳥居が現れ、その先が本殿の鎮座する神域となります。本殿は拝殿の背後にある火達山に鎮座しており、境内正面とはまた異なる、木々に囲まれた場所で参拝することができます。
現在の本殿は大正11年(1922)に造営された建物です。三間社流造、向拝付きの建築で、総檜造、屋根は銅葺となっています。境内正面の拝殿が万延元年(1860)造営の総欅造・瓦葺であるのに対し、本殿は大正時代の総檜造・銅葺で、造営年代や木材、屋根にも違いがあります。

その歴史は平安時代初期まで遡り、天長9年(832)の『日本後紀』逸文には、三嶋神と伊古奈比咩神について「神宮二院」が造られたことが記されています。白浜神社の社誌では、三嶋神の社は長田地区の神明、伊古奈比咩命の社は現在の火達山付近にあったと考察されています。
明暦2年(1656)の火災後、二院は同じ境内に再建され、右側に三嶋大明神、左側に伊古奈比咩命を祀る二つの本殿が並びました。
寛保元年(1741)には二殿制から一殿制へ改められ、遠江国浜松の五社明神を参考に造営されたと伝えられています。
御祭神・ご利益
白浜神社の主祭神は伊古奈比咩命です。本殿には相殿神として三嶋大明神、見目、若宮、剣の御子を祀り、合わせて五柱の神々が祀られています。伊古奈比咩命は三嶋大明神の后神と伝えられる女神です。白浜神社の伝承では、三嶋大明神は見目、若宮、剣の御子とともに南方から黒潮に乗って伊豆へ渡り、白浜にたどり着いたとされています。その後、伊古奈比咩命を后として迎え、夫婦神となりました。
二神には伊豆諸島の島々を造ったという「島焼き」の神話も伝えられています。また、三嶋大明神はのちに現在の三島市へ遷座し、白浜には伊古奈比咩命を祀る神社が残ったと伝えられています。
伊古奈比咩命と三嶋大明神が夫婦神であることから、白浜神社では縁結びをはじめ、夫婦円満、子授け、子育てなどの信仰があります。
さらに相殿に祀られる見目は、三嶋大明神と伊古奈比咩命の縁を取り持った神と伝えられています。この故事から見目大神も縁結びの神として信仰され、境内には見目弁財天が祀られています。
このように白浜神社の縁結びの信仰は、夫婦神である伊古奈比咩命と三嶋大明神、そして二神の縁を取り持った見目大神の伝承と深く結びついています。
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