有名度
大関諏訪大社 下社春宮
すわたいしゃ しもしゃはるみや
長野県諏訪郡下諏訪町193
筒粥神事
更新日:2026年10月3日
神粥炊上げの社殿
境内西側には筒粥殿と呼ばれる、扉がついた小さな社殿が建っています。毎年1月14日夜から15日の早朝にかけて、その年の世相や農作物の豊凶を占う「筒粥神事」が行われる場所です。そこで占われた結果は正確であるとされ、「神占正に誤りなし」といわれ、諏訪の七不思議のひとつに数えられています。
神職は木の棒を両手でもんで起こす「切り火」で忌火を起こし、大釜に米と小豆、アシの筒を入れます。そして大祓詞を10回唱えながら、一晩中粥を炊き続けます。
15日の早朝になると、大釜からアシの筒を取り出して1本ずつ小刀で割り、筒の中に入った粥の量や状態から、その年の農作物の豊凶を占います。
占う農作物の種類や数は時代によって変化してきましたが、現在は44本のアシの筒が使われています。このうち43本にはそれぞれ農作物が割り当てられ、残る1本で「世の中」全般を占います。
占いの結果はすぐに公表され、結果を記した目録も配布されています。現在でも毎年その結果が報道されるなど、諏訪地方で大きな関心を集める新年の神事となっています。
スポンサーリンク
ご祭神不在で行われる神事
筒粥神事には、もうひとつ興味深い特徴があります。現在は御祭神の御霊代が春宮に鎮座していない時期に行われています。下社では毎年2月1日に御霊代が秋宮から春宮へ遷座し、8月1日には春宮から秋宮へ遷座します。そのため、1月14日から15日に春宮で行われる筒粥神事の時点では、御霊代は秋宮に鎮座しています。
しかし、かつて旧暦で祭事が行われていた時代には、春の遷座祭は正月1日に行われていました。その後、正月14日から15日に筒粥神事が行われるため、当時は御祭神を春宮へお迎えした後に筒粥神事が行われていました。
明治時代に太陽暦が導入され、さらに明治期に下社の遷座祭の日程が変更されたことで、現在は2月1日に春宮への遷座祭、1月14日から15日に筒粥神事という日程になりました。その結果、現在の筒粥神事は御霊代が秋宮に鎮座している時期に春宮で執り行われています。
古くから受け継がれてきた神事でありながら、暦や人々の暮らしの変化によって祭事の日程も変化してきました。現在の筒粥神事には、そうした諏訪大社下社の長い歴史も残されています。
筒粥神事イメージこの記事を0人の方がいいねといっています
スポンサーリンク
