有名度
大関戸隠神社 火之御子社
とがくしじんじゃ ひのみこしゃ
長野県長野市戸隠2412
西行桜
更新日:2025年7月5日
西行法師ゆかりの桜
石鳥居をくぐり参道の石段を上った先、社殿の右奥には西行桜と呼ばれる桜の木が植えられています。

西行法師は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて実在した、僧侶や武士、そして歌人でもあった人物です。善光寺を参拝した西行法師は、戸隠権現にも向かうことにしました。途中、飯綱原に差し掛かったところ、子どもたちが蕨とりに夢中になっていたそうです。その姿を見た西行法師は、「今わらびをとっているが、藁の火で火傷をしないように」と子供たちをからかいました。それに対し子供たちは「火の気のある笠で頭を焼かないようにしてくださいよ」と返答し、反対にやり込めてしまったそうです。
西行法師はさらに先へ進み、火之御子社までやってきました。そこでは満開の桜の木の下で子供たちが遊んでいたそうです。しかし西行法師の姿を見た途端、木の上に登ってしまいました。西行法師は「ここの子供は猿のようだ。上手に素早く木に登っていった」と子供たちに声をかけ、からかったそうです。すると子供達からは、「犬のような見すぼらしい姿のお坊さんがきたからだ。猿と犬は昔から犬猿の仲だ。だから猿のように木に登って逃げたのだ」と返ってきました。2回もやりこめられてしまった西行法師は、子どもたちの賢さに大変びっくりしたそうです。そしてこれ以上先に進んだら思いも寄らない失敗をするかも知れないと考え、このまま戸隠に行くのはまずいと参詣を控えたと言われています。これが西行桜と呼ばれることになった由来です。

西行法師にまつわる伝承の謎
実は西行法師には、西行桜のように「子ども達に言い負かされて途中から引き返す」という話が全国に数多く残されています。長野県の別所温泉に伝わる「西行の戻り橋」、埼玉県の「西行戻り橋」、宮城県松島の「西行戻りの松」、栃木県日光の「西行戻り石」など、どれも問答に負けて引き返すエピソードです。特に長野県の別所温泉に伝わる「西行の戻り橋」は、西行桜の前半部分とかなり似通った話になります。これらの話の真偽は不明ですが、戸隠の西行桜は物語とともに大切にされてきたことは事実です。

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