その他摂末社② | 川越氷川神社 - 神社ファン

有名度

大関

川越氷川神社

かわごえひかわじんじゃ

埼玉県川越市宮下町2-11-3

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その他摂末社②

更新日:2026年10月21日

境内に鎮座する摂末社②

川越氷川神社の境内には、本社のほかに20社の摂末社が祀られています。本殿に向かって左手から裏手にかけては多くの摂末社がまとまって鎮座しており、それぞれ異なる神様と信仰を今に伝えています。
前のページでは稲荷神社や日吉神社、加太粟島神社、菅原神社などをご紹介しました。さらに境内を進むと、病気平癒、水害除け、雷除け、災難除け、航海安全など、人々の暮らしと深く結びついたお社が続きます。
川越城や旧上尾街道、川越を取り巻く河川、江戸時代から明治時代に盛んになった講など、川越の歴史を感じられるお社も少なくありません。引き続き境内を巡る順にご紹介します。
本殿横の摂末社一覧2

疱瘡神社

疱瘡神社の御祭神は少彦名命です。少彦名命は大己貴命(大国主命)を助けて国造りを行い、医療の道を広めたと伝えられる神様で、病気平癒の御神徳でも知られています。
社名にある「疱瘡」とは天然痘のことです。現在では根絶されていますが、かつては強い感染力を持ち、ときには多くの命を奪う恐ろしい疫病でした。有効な治療法がなかった時代、人々は疱瘡をもたらす力そのものを神として畏れ、病が軽く済むことや流行が収まることを願いました。全国各地に疱瘡神を祀る祠や石碑が残されているのも、天然痘が人々にとってそれほど身近な脅威だったことを物語っています。
川越氷川神社では、医薬・病気平癒の神である少彦名命を疱瘡神社に祀り、病から人々を守る神様として信仰しています。

厳島神社

疱瘡神社の隣に鎮座する厳島神社には、市杵嶋姫命がお祀りされています。
市杵嶋姫命は、天照大神と素盞嗚尊が行った誓約によって生まれた宗像三女神の一柱です。『古事記』では素盞嗚尊が天照大神に差し出した十拳剣から三女神が生まれたとされています。
広島県の厳島神社や福岡県の宗像大社などに祀られ、海や水に深くかかわる神様として、航海安全や海上安全の信仰を集めてきました。
川越氷川神社の主祭神である素盞嗚尊とも神話上深い関係を持つ神様です。

水神社

水神社の御祭神は弥都波能売神です。『古事記』では伊耶那美神が火の神・火之迦具土神を生んで病み苦しんだ際、その尿から生まれた神とされ、水を司る神様として信仰されています。
かつて川越氷川神社の境内には「御手洗川」と呼ばれる小川が流れていました。神社の西側には旧上尾街道が通っており、御手洗川は街道を往来する人々が足を止める憩いの場所にもなっていたと伝えられています。
現在も境内地下には水脈があり、そこから汲み上げられた水は御神水として参拝者に親しまれています。境内を流れる小川では、人形を水に流して心身の穢れを祓う「人形流し」も行われており、川越氷川神社では現在も水と信仰の深いつながりを感じることができます。
疱瘡神社・厳島神社・水神社 社殿
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嶋姫神社

嶋姫神社には祖島姫神がお祀りされています。川の氾濫を鎮め、水害から人々を守ってくださる神様です。
川越は荒川や入間川をはじめとする多くの河川に囲まれた土地です。豊かな水は農業や人々の暮らしを支える一方、大雨による河川の氾濫は大きな脅威でもありました。
水を利用しながら暮らしてきた人々にとって、水害から土地や家々を守ってくれる神様への信仰は切実なものだったのでしょう。嶋姫神社は、川とともに発展してきた川越という土地の特徴を感じさせる境内社です。

雷電神社

雷電神社の御祭神は大雷神です。
江戸時代、川越城ではたびたび落雷が発生したため、川越藩主の命によってその災いを鎮めるために祀られるようになったと伝えられています。城下町川越の総鎮守であった川越氷川神社と、歴代の川越城主との結びつきを伝えるお社のひとつです。
雷は古くから「神鳴り」とも考えられ、人の力では防ぐことのできない雷鳴や稲妻に神の力を感じてきました。一方で雷は雨をもたらし、稲作に欠かせない水の恵みとも深く関係します。
川越城への落雷という具体的な出来事を背景として祀られたことが分かる、川越ならではの境内社です。

三峯神社

三峯神社の御祭神は伊弉諾尊と伊弉冉尊です。川越の講によって、秩父の三峯神社から御分霊を迎えて祀られました。
「講」とは、同じ神仏を信仰する人々によってつくられた集まりです。仲間で資金を出し合って代表者が神社へ参拝するなど、遠方の霊場への信仰を地域で支えていました。川越にも三峯信仰を受け継ぐ人々がいたことを、この小さなお社が伝えています。
秩父の三峯神社では、狼を神格化した大口真神が神使とされています。「お犬さま」と呼ばれ、山中で人々を守る存在として、火難・盗難をはじめとするさまざまな災難を防ぐ神として信仰されてきました。
川越の人々が秩父の山深い三峯神社へ寄せていた信仰を、現在まで伝えるお社です。
嶋姫神社・雷電神社・三峯神社 社殿
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蛇霊神社

蛇霊神社の御祭神は蛇子天です。
蛇は古来より神の化身や神の使いと考えられ、各地で信仰の対象となってきました。また、成長するたびに古い皮を脱ぎ捨て、新しい姿になることから、生命力や再生の象徴ともされています。
境内に数多くある摂末社のなかでも「蛇霊神社」という名前はひときわ印象的です。小さなお社ですが、自然の中に神聖な力を見いだしてきた日本の信仰を感じられる場所です。

御嶽神社

御嶽神社の御祭神は大山咋神と国常立命です。長野県と岐阜県にまたがる御嶽山への山岳信仰と深く関係するお社です。
御嶽山は古くから霊山として崇められ、江戸時代になると一般の人々も御嶽山へ登拝する御嶽講が盛んになりました。川越でも御嶽信仰が広まり、明治時代に川越氷川神社の境内へ御嶽神社が祀られました。
御嶽神社の周囲には八海山神社や三笠山神社もあり、御嶽信仰を広めた行者もともに祀られています。ひとつのお社だけを見るのではなく、周囲に並ぶ石碑や祠まで見ることで、当時の人々が山岳信仰に寄せた思いを感じることができます。
前のページで紹介した小御嶽神社が富士山への信仰を伝えているのに対し、こちらは木曽御嶽山への信仰を現在に伝えています。川越の町にさまざまな山岳信仰が根付いていたことが分かる場所です。

琴平神社

琴平神社の御祭神は大物主神と崇徳天皇です。香川県琴平町に鎮座する金刀比羅宮に祀られる神々で、航海や水上交通の安全を守る神様として広く信仰されています。
大物主神は奈良県の三輪山を御神体とする大神神社に祀られる神様です。『古事記』には美しい男性の姿となって女性のもとへ通ったという三輪山にまつわる神婚説話も伝えられています。
崇徳天皇は平安時代末期、保元の乱に敗れて讃岐国へ流され、その地で生涯を終えました。死後、都で相次いだ災いが崇徳天皇の怨霊によるものと恐れられ、御霊を鎮める信仰が生まれました。のちに金刀比羅宮にも祀られ、現在は大物主神とともに主祭神となっています。
海のない川越に航海安全の琴平神社が祀られていることからも、金毘羅信仰が海辺だけにとどまらず、全国各地へ広く伝わったことがうかがえます。
蛇霊神社・御嶽神社・琴平神社 社殿
境内の摂末社を巡ると、川越氷川神社には本社の御祭神だけでなく、病気、水害、雷、火災、盗難、学問、商売、醸造、山岳信仰など、人々の暮らしにかかわる多様な信仰が集められてきたことが分かります。
小さな祠や石碑が並ぶ一角ですが、一社ずつ由緒を知りながら歩くことで、江戸時代から明治時代にかけて川越の人々が何を恐れ、何を願い、どのような神々を頼りにしてきたのかが見えてきます。

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