有名度
横綱伏見稲荷大社
ふしみいなりたいしゃ
京都府京都市伏見区深草藪之内町68
摂社 大八嶋社
更新日:2026年7月17日
社殿を持たない珍しい摂社
玉山稲荷社から左へ進み、八島ヶ池(お産場池)のほとりに鎮座するのが、大八嶋社(おおはちしましゃ)です。伏見稲荷大社の摂社で、近くには啼鳥菴や八島ヶ池があり、静かな雰囲気の中で参拝することができます。大八嶋社最大の特徴は、一般的な神社のような社殿がないことです。朱色の玉垣で囲まれた神域全体が禁足地となっており、その土地や山林そのものをご神体としてお祀りしています。そのため、知らなければ通り過ぎてしまいそうですが、伏見稲荷大社の摂社として古くから大切に守られてきた神聖な場所です。

御祭神
御祭神は大八嶋大神(おおはちしまおおかみ)です。「大八嶋」とは、『古事記』や『日本書紀』に記される国生み神話で、伊邪那岐命と伊邪那美命が最初に生んだ八つの島、すなわち日本の国土を意味します。
* 淡道之穂之狭別島(淡路島)
* 伊予之二名島(四国)
* 隠岐島(隠岐)
* 筑紫島(九州)
* 壱岐島(壱岐)
* 津島(対馬)
* 佐度島(佐渡島)
* 大倭豊秋津島(本州)
これら八つの島を神格化した存在が大八嶋大神であり、日本の国土そのものを守護する神として信仰されています。

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大八嶋社の起源
大八嶋社の起源については、古くから二つの伝承が伝えられています。一つは、旧社家である秦氏の伝承で、もともと稲荷山の荒神峰に祀られていた地主神を現在地へ遷したという説です。
もう一つは、旧社家である荷田氏の伝承です。荷田氏の祖神「龍頭太(りゅうとうた)」にゆかりのある場所とされ、龍頭太は昼は田を耕し、夜は頭上の光を頼りに薪を集めて暮らしていた山神であったと伝えられています。
どちらの説が正しいかは明らかではありませんが、いずれも稲荷山の古い信仰や、伏見稲荷大社の創建に関わる一族との深い関係を示す伝承として受け継がれています。

社殿のない神域
社殿を持たず、土地そのものを御神体として祀る神社は全国でも決して多くありません。大八嶋社では朱色の玉垣に囲まれた神域全体が御神体であり、立ち入ることはできません。建物ではなく自然そのものを神として崇める、日本古来の自然信仰の姿を今に伝える貴重な場所といえます。華やかな千本鳥居や社殿とは異なる静けさに包まれた大八嶋社は、伏見稲荷大社の信仰の原点を感じられる境内の一つです。八島ヶ池や啼鳥菴とあわせて立ち寄れば、伏見稲荷大社の多様な信仰文化をより深く知ることができるでしょう。

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