こがし祭り | 来宮神社 - 神社ファン

有名度

関脇

来宮神社

きのみやじんじゃ

静岡県熱海市西山町43-1

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こがし祭り

更新日:2026年9月23日

熱海の夏の風物詩

来宮神社では毎年7月14日から16日にかけて例大祭が執り行われます。別名「こがし祭り」とも呼ばれ、神事だけでなく神輿や御神幸行列、鹿島踊、山車コンクールなどが行われる、熱海を代表する夏祭りです。
祭りの起源は、来宮神社の創建にまつわる伝承にあります。710年(和銅3年)6月15日、熱海湾で漁師が網を下ろしたところ、御木像らしきものがかかりました。すると童子が現れ、自らを五十猛命と名乗り、波の音が聞こえない場所にある7本の楠の洞に祀るよう告げたと伝えられています。村人たちが探し当てたのが、現在の来宮神社が鎮座する西山の地でした。
このとき御神前に麦こがし、百合根、ところ、橙をお供えすると、神様が大変喜ばれたと伝えられています。この故事から、旧暦6月15日にあたる新暦7月15日に例大祭が行われ、麦こがしをお供えすることから「こがし祭り」と呼ばれるようになりました。

3日間におよぶ例大祭

初日の7月14日には「宵宮祭」が執り行われます。翌日から行われる例大祭のすべての神事を無事に奉仕できるよう、神々の御前で祈願する祭事です。
7月15日は例大祭の中心となる日です。御祭神がこの地に鎮まった日にあたり、熱海に暮らす人々や熱海を訪れる人々を守る神々へ感謝を捧げます。御神前には祭りの名前の由来となった麦こがしをはじめ、百合根、橙、ところが特殊な神饌としてお供えされます。
同日には「宮神輿渡御」も行われます。神々を乗せた大神輿が熱海駅や親水公園、銀座町などの市街地を巡るもので、使用される神輿は江戸時代末期に作られたと伝えられています。かつては「暴れ神輿」として知られ、長く途絶えていましたが、1991年(平成3年)に復活しました。普段は参集殿に安置されているので、祭りの日以外でもその姿を見ることができます。
宮神輿

鹿島踊と神女神楽

例大祭の大きな見どころのひとつが、7月15日・16日に奉納される「来宮神社鹿島踊」です。静岡県指定無形民俗文化財で、鎌倉時代に鹿島地方から海を渡って伊豆・相模地方へ伝わったとされています。
白装束をまとった男性たちが神々に踊りを奉納し、踊り手が持つ柄杓からこぼれ落ちる色紙は稲米を表しています。そこには五穀豊穣と厄払いの意味が込められています。円陣から角形陣へと隊形を変える場面も見どころです。
鹿島踊は境内だけでなく、熱海駅前や渚小公園、さらに約1300年前に御木像を拾ったと伝えられる人物の子孫宅前でも奉納されます。
同じく15日・16日には「神女神楽」も奉納されます。鎌倉時代、伊豆へ流された高貴な人物が都へ戻ることを願い、来宮神社の御前で舞を奉納したことが始まりと伝えられています。
毎年氏子の中から一人の少女が神女に選ばれ、数か月前から稽古を重ねます。例祭奉仕期間中は神女として過ごすため、親であっても触れることができず、地面に足をつけることも禁じられているという、古くからのしきたりが残されています。
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7月16日の御神幸行列

7月16日の「神幸祭」では、来宮の神々を御鳳輦(ごほうれん)に乗せ、熱海の街へお連れする御神幸行列が行われます。宮司や神職、総代、神役など500人を超える人々が供奉する壮大な行列で、街の繁栄を祈りながら市街地を進みます。
行列を先導するのは、天狗面をつけ高下駄を履いた猿田彦神です。天孫降臨の際に瓊々杵命を案内した神であることから、ここでも御鳳輦に鎮座する来宮大神を案内する役割を担います。
猿田彦は御祭神と縁の深い麦こがしを道に撒きながら進み、この麦こがしに触れると無病息災・身体健康の御利益があると伝えられています。
その後に続く御鳳輦を担ぐのは、その年に42歳となる男性たちです。厄払いの神事でもあり、奉仕者は「みょうねん」と声を上げ、神々への感謝を表しながら御鳳輦を力強く担ぎます。
御鳳輦
行列は御神体が流れ着いたと伝えられる海岸へ向かい、浜降り神事が行われます。奉仕者たちは御鳳輦を担いだまま海へ入り、神々とともに海中を進みます。約1300年前に御神体が海から現れたという来宮神社の創建伝承を、現在に再現する重要な神事です。
御鳳輦は普段は斎館に安置されているので、参拝の際に間近で見ることもできます。
御神幸行列を終えて神々が本殿へ戻ると「還幸祭」が執り行われます。無事に神幸を終えたことへの感謝を捧げ、最後の奉納行事をもって3日間の例大祭が終了します。

華やかな「山車コンクール」

7月15日・16日には、例大祭とあわせて「こがし祭り山車コンクール」も開催されます。国道135号を交通規制して行われる、熱海でも特に盛大な催しです。
各町内から伝統的な木彫り山車や趣向を凝らした装飾山車、神輿が次々と繰り出し、夜の熱海市街を華やかに彩ります。2026年には第58回を迎え、20基を超える山車が審査会場へ繰り出しました。
来宮神社の創建伝承を今に伝える神事と、熱海の街を挙げて行われる華やかな催しが一体となった「こがし祭り」。なかでも鹿島踊や御鳳輦の浜降りは、来宮神社の歴史と信仰を間近で感じられる貴重な機会です。

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