海食洞窟遺跡/忌部塚 | 安房神社 - 神社ファン

有名度

関脇

安房神社

あわじんじゃ

千葉県館山市大神宮589番地

海食洞窟遺跡/忌部塚

更新日:2025年11月7日

海食洞窟遺跡/忌部塚

安房神社の海食洞窟遺跡は、千葉県館山市大神宮の安房神社境内で発見された重要な考古学遺跡です。昭和7年(1932年)、関東大震災後の復旧工事として参籠所裏に井戸を掘っていた際、地下約1メートルの地点で偶然に発見されました。洞窟は波の侵食によって形成された自然の海食洞窟で、全長約11メートル、高さ約2メートル、幅約1.5メートルと記録されています。発見後の調査によって、その洞窟からは人骨22体分、貝製の腕輪193個、石製の小玉3個、そして土器類が出土しました。これらのうち15体の人骨には抜歯の痕跡があり、古代の通過儀礼や社会的身分を示す風習と関連していると考えられています。
海食洞窟遺跡
出土した土器は当初、弥生時代のものとされていましたが、その後の研究では縄文時代晩期の東海系土器である可能性も指摘されています。このことから、遺跡は縄文から弥生への移行期の墓地であるとみられ、地域の古代史を知るうえで貴重な資料となっています。昭和42年(1967年)には「千葉県指定史跡」に指定され、現在は調査終了後に埋め戻されており、内部の見学はできません。安房神社を訪れる際は、案内板や周辺の地形を通じて往時の姿を想像することができます。
出土した人骨の一部は、神社の東側にある「宮ノ谷」に改めて埋葬され、「忌部塚(いんべづか)」と名づけて祀られています。これは、安房国開拓の祖とされる忌部氏(いんべし)にちなんだもので、安房神社の御祭神・天太玉命(あめのふとたまのみこと)と、その子孫・天富命(あめのとみのみこと)が阿波(徳島)から渡来し、この地を開拓したという伝承と深く結びついています。発見された人骨を忌部氏の祖霊とみなし、これを弔うために築かれたのがこの忌部塚です。
忌部塚Saigen Jiro(wikipedia CC0)
忌部塚では、毎年7月10日に「忌部塚祭」が執り行われています。この祭りは、安房の開拓に尽くした先人への感謝と地域の繁栄を祈願する神事であり、現在も安房神社の年中行事として継承されています。洞窟遺跡と忌部塚は、考古学的価値と神話的信仰が交差する場所として、安房神社の歴史の深さを物語る存在です。

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