熊野大神
くまののおおかみ
和歌山県の南部に鎮座する熊野三山にまつられる神々の総称。仏教伝来以降の神仏習合に基づき、熊野本宮大社の家都美御子神は阿弥陀如来を、熊野速玉大社の熊野速玉男神は薬師如来を、熊野那智大社の熊野牟須美神は千手観音を本地仏とした熊野権現とも呼ばれ、熊野全体は浄土の地とされた。 三山は相互に祭神をまつり連帯関係を結んでいるが、古くは川や滝の神格化など、自然神を信仰する個別の存在だったとされる。日本神話の神々と結びついたことで体系化され、さらに修験道の聖地となり仏教とも結びつき、現在の形に変化していったと考えられている。 熊野神社や三山十二殿に鎮座する十二権現をまつる十二所神社は全国に3千社余りあり、熊野三山はその総本社にあたる。白河上皇の度重なる熊野御幸をきっかけに皇族、貴族の間で熊野参詣は広がりを見せ、鎌倉時代以降は庶民の間でも熊野詣が流行した。多くの参詣人が列を連ねて行く様から、大人数がぞろぞろと進むことを「蟻の熊野参り」などと例える言葉も生まれた。
