鳥居
小野神社には、御社殿正面に構える大鳥居と、南の参道に設けられた1基の鳥居があります。鳥居から随身門、御社殿へ一直線に続く参道構造が特徴で、正面が西向きである点も珍しい配置といえます。
大鳥居の前には「武蔵一の宮小野神社」と刻まれた社号標があり、大鳥居は石造の明神鳥居で、扁額には十六菊の菊花紋章が付されています。小野神社の神紋は三つ巴であるため、鳥居の紋が異なる点が特徴的な意匠となっています。
南側の鳥居は、かつて表参道に立っていたものが現在の位置へ移設されたものです。
随身門
小野神社の大鳥居のすぐ奥に建つ随身門は、参道全体の印象を大きく形づくる重要な建造物で、建築形式と豊富な彫刻意匠の両面に見どころが多い門です。
三間一戸・八脚門・切妻造に軒唐破風を組み合わせた銅板葺の構造で、全体として量感のある造りが特徴となっており、正面の扁額には「随神門」の文字が掲げられています。軒下には数多くの彫刻が施され、装飾性の高い門として際立っています。
彫刻意匠も特に注目すべき点で、唐破風の懸魚と扁額下には龍が彫られ、左右には鶏・獅子・兎・鼠・虎などの動物、側面には猪、木鼻には波に鯉が配されています。1974(昭和49)年の再建に際しては、風神・雷神や霊獣などの彫刻も加わり、いずれも表情豊かで細部まで丁寧に仕上げられています。扁額にも龍が刻まれ、風神・雷神の手には三つ巴が見られるほか、随身門には鳥居と同じ十六菊の紋章が付けられています。
随身門に安置されている随身像(随身倚像)は東京都指定有形文化財で、小野神社を代表する貴重な宝物となっています。古い一体は総高約74.5cmで、元応元年(1319年)に因幡法橋応円によって奉納されたことが墨書から確認されています。新しい一体は、寛永5年(1628年)に鎌倉の仏師・大弐宗慶が修復を行った際に制作されたものと考えられています。いずれも檜材の寄木造・胡粉地彩色・玉眼を備えており、室町時代以前にさかのぼる随身像として都内でも例が少ない貴重な作例です。現在随身像は別の建物に保管されており、代わりに新しい随身像が鎮座しています。
昭和期の境内整備に伴い、昭和39年には旧氏子によって社務所新築と随身像修復の計画が進められ、その過程で随身門が再建されました。同時に本殿・拝殿が後方の風致林へ遷座し、境内が拡張されています。さらに昭和49年の末社再建と秋の例大祭の際には、随身像が改めて随身門内に安置され、そのことを記念する碑文も残されています。