島田宣来子
しまだののぶきこ
- 歴史的人物
- 女神・女性

祭神ランキング246位
- 公卿婦人
平安 [850年~903年]
島田宣来子とは?
島田宣来子(850-?)は平安時代前期の女性。菅原道真の正室で、父は漢詩人として知られ、道真の師の一人ともされる島田忠臣である。北の方、吉祥女、老松女などの名でも伝えられている。
宣来子は道真との間に子をもうけ、嫡男の菅原高視や、宇多天皇の女御となった菅原衍子らの母となった。昌泰2年(899)には50歳を迎えた五十賀に際して従五位下に叙せられている。
昌泰4年(901)、夫の菅原道真は朝廷での政争のなかで大宰権帥に左遷され、京を離れて大宰府へ向かった。道真の子らも各地へ流されたとされるが、その後の宣来子の動向について確実な史料から分かることは少なく、没年も明らかではない。
一方、岩手県一関市周辺には宣来子が奥州へ下ったとする伝承が残されている。伝承によれば、道真の左遷後、宣来子は子供たちや従者とともに奥州へ赴き、胆沢地方に暮らしたという。延喜3年(903)に大宰府で道真が亡くなったことを知ると、悲しみのあまり病に伏し、その後亡くなったと伝えられている。一関市には宣来子を葬ったとされる「菅公夫人の墓」が残されている。ただし、これらは当地に伝わる伝承であり、宣来子が実際に奥州へ下ったことや903年に亡くなったことを確実な史料から確認することはできない。
宣来子は道真の正室として後世に神格化され、北政所吉祥女などと称して祀られるようになった。太宰府天満宮の楓社では道真の夫人として祀られ、亀戸天神社の花園社などにもその信仰が伝わっている。また奥州に残る菅公夫人伝承も、道真とその一族に対する天神信仰が各地へ広がるなかで受け継がれてきた。夫婦円満、家庭円満、子孫繁栄などの神徳で信仰されている。
エピソード
島田宣来子は、昌泰2年(899)に従五位下を授けられた。講談社の人名辞典は、この叙位を宣来子の五十歳の時のこととして記している。宣来子は、菅原道真の正室であると同時に、当時の朝廷から位階を授けられた女性でもあった。
この叙位は、宣来子の人生について伝わる数少ない具体的な記録の一つである。後世の伝承では道真の妻や母として語られることが多いが、位階の記録からは、宣来子自身が公的な身分を持つ人物として認識されていたことが分かる。一方、この記録だけで、彼女が朝廷でどのような役割を担ったか、あるいは政治に関与したかまでは分からない。宣来子の生涯を考える際は、道真との婚姻や子どもに関する伝承だけでなく、同時代の記録に残る本人の身分にも目を向けたい。
出典・参考:講談社「デジタル版 日本人名大辞典+Plus」島田宣来子
昌泰4年(901)、宣来子の夫である菅原道真は大宰府へ左遷された。その後の宣来子の居場所や生涯について、確実な記録から詳しい足取りをたどることは難しい。一関市には、道真の妻・吉祥女が陸奥国(現在の岩手県一関市)へ移り住み、そこで亡くなったと伝える「菅公夫人の墓」がある。一関市公式観光サイトも、宣来子の墓といわれる史跡として紹介している。
この伝承では、宣来子が道真の左遷後に子どもたちと陸奥へ移り、道真の死後に亡くなったと語られる。ただし、墓と伝承が地域で守り伝えられていることは確認できても、宣来子本人が実際に一関へ移ったことや、そこで亡くなったことを裏付ける同時代史料は確認されていない。道真の妻として知られる人物の後半生をめぐる地域の記憶として、歴史上確認できる事柄と分けて紹介したい。
出典・参考:一関市公式観光サイト「菅公夫人の墓」、岩手県公式観光サイト「菅公夫人の墓」
島田宣来子は、夫である菅原道真との関係を伝える神社で、現在も祭神として祀られている。太宰府天満宮の摂社・楓社は、公式案内で道真の正妻・宣来子を祀る社とされ、夫婦円満、安産、子宝の神として信仰されている。亀戸天神社の末社・花園社では、宣来子と道真の子どもたちも祀られ、安産・子宝・育児・立身出世の守護神として信仰されている。花園社では、母の日にちなむ花園社祭も行われている。
これらの神社での祭祀は、宣来子が歴史上の人物であると同時に、道真の妻、子どもたちの母として信仰されてきたことを示す。記紀神話に登場する神ではなく、後世の祭祀を通して神として祀られた人物である。神社ごとの由緒や祭神の範囲には違いがあるため、各社の現在の祭祀を手がかりに、宣来子への信仰の形を捉えることができる。
出典・参考:太宰府天満宮「摂社・末社のご案内」、亀戸天神社「ご参拝のご案内」
ご神徳
ご神徳は不明です。
別称・異称
きたのかた
その他
吉祥女きっしょうめ
その他
老松女おいまつめ
その他
祀られている主な神社
金麗神社
(山口県美祢市美東町大田五九一二番地)
天神社
(愛媛県砥部町三上原町45番)
菅原神社
(福岡県大任町大行事2982番)
老松神社
(福岡県桂川町土居字丁字丸601番)
福部神社
(福岡県筑後市馬間田1148番)
