若年神 神社の神様 - 神社ファン

若年神

わかとしのかみ

  • 神話・伝説
  • 不明

祭神ランキング118位

  • ご神徳
  • 同一神
  • 主な神社
  • 若年神とは?

    若年神は『古事記』に登場する神である。大年神の孫にあたり、羽山戸神が大気都比売神を娶って生んだ8柱の神のうち2番目に生まれた神である。妹の若沙那売神と対をなす。『古事記』では名称と系譜のみが記され、具体的な事績は語られていない。
    若年神を含む大年神の系譜には、農耕や穀物に関係すると考えられる神々が多くみられる。『古語拾遺』には、大地主神が田を耕した際、御年神の祟りによって苗が枯れそうになり、白馬・白猪などを供えて祀ると苗が再び茂ったという説話が記されている。これは若年神自身の説話ではないが、同じ年神系の神である御年神が稲の生育と深く結びついていたことを示している。
    羽山戸神と大気都比売神の間に生まれた8柱の神については、一年間の農耕の過程に関係する神々とみる説がある。若年神の年は稲の実りを意味するとされ、若年神も稲や農耕に関係する神と考えられている。一方、本来はそれぞれ異なる成立背景を持つ神々が、新嘗祭などの農耕祭祀を背景として系譜上まとめられたとする説もある。
    若年神は狹岡神社(奈良県奈良市)などで祀られている。

    エピソード

    若い稲を表す神――八柱の系譜に描かれた農耕の一年
    『古事記』上巻では、大年神の子である羽山戸神が、食物を司るオオゲツヒメを娶り、8柱の神を生んだと記されている。若年神はその第2の神であり、前には若山咋神、後には若沙那売神が続く。さらに弥豆麻岐神、夏高津日神、秋毘売神、久々年神、久々紀若室葛根神が生まれている。
    若年神には独立した物語がない。しかし、この系譜では一柱ごとの活躍よりも、神々が並ぶ順序と神名が重要だと考えられている。若山咋神を山から田へ降りる田の神、若年神を若い稲や苗、若沙那売神を田植えに携わる早乙女《さおとめ》や巫女と解し、その後に水や夏、秋、成長した稲に関係する神々が続くとみる説である。8柱全体によって、田を整えて苗を植え、稲が育ち、秋の収穫を迎えるまでの農耕の一年が表されていることになる。
    若年神の年は、単なる暦年ではなく、一年ごとに実る穀物を意味するとされる。祖父の大年神の大に対して若の名を負う若年神は、成熟した稲ではなく、これから伸びて実りを迎える新しい稲の生命力を象徴する神なのである。

    出典・参考:『古事記』上巻「大年神の系譜」、國學院大學古典文化学事業「神名データベース 若年神」「羽山戸神」



    神話では名だけ、神社では現役――若歳神として続く信仰
    『古事記』の若年神は、系譜に名が記されるだけで、言葉を発したり特定の事件に関わったりすることはない。それでも、若年神は古典の中だけに残った神ではない。現在も若歳神や若年神の名で、年神の一柱、あるいは地域を守る祭神として祀られている。
    山口県下関市の大歳神社では、大歳神、御年神とともに若歳神を祀っている。同社は年神を稲の実りと豊作を司る神とし、正月に迎える年神信仰や、家の平安・繁栄とも結び付けて説明している。古典上はそれぞれ系譜の異なる神であるが、祭祀の場では大歳・御歳・若歳の三神が、豊かな実りをもたらす年神として並んで祀られているのである。
    兵庫県姫路市の若宮社では、若年神が主祭神であり、馬頭観音と稲荷大明神があわせて祀られている。創建年代は明らかでないが、地域では出会いさんと呼ばれ、例祭や子供の奉納相撲が受け継がれてきた。毎月1日と15日の前に榊を供えて祭る行事も続けられている。ここでは若年神が農耕神としてだけでなく、仏教や稲荷信仰とも重なりながら、集落の暮らしを守る身近な神として信仰されている。系譜だけでは見えにくい若年神のもう一つの姿である。

    出典・参考:大歳神社(山口県下関市)公式サイト「由緒とご祭神」、兵庫県神社庁「若宮社」



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    出典文献

    古事記

    先代旧事本紀

    神格

    田の神 田植の神

    ご神徳

    ご神徳は不明です。

    別称・異称

    若年神

    わかとしのかみ

    古事記/先代旧事本紀

    若年主神

    わかとしぬしのかみ

    その他

    若歳神

    わかとしのかみ

    その他

    祀られている主な神社

    八阪神社
    (奈良県平群町白石畑小字岩阪)
    大歳神社
    (山口県下関市竹崎町1-13-10)
    御年神社
    (宮崎県三股町大字宮村3522)
    沢目神社
    (秋田県八峰町峰浜水沢字寺ノ後54)
    御嶽神社
    (秋田県湯沢市字御嶽山6)